小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第44話 やさぐれた交わり(5/6)


 やがて――ジュンは我に返った。
 ジュンの息は荒く、視界がわずかに揺れる。
 そんな中で、ふと、ミアルの顔がジュンの目に入った。そのまつ毛の奥の光をたたえた瞳が――まっすぐ、ジュンを見ていた。

 その瞬間、ジュンは小さく息をのんだ。

 ミアルは目を逸らさず、ジュンを見ていたのだ。ジュン自身でさえ直視したくない、獣のような姿も――ずっと。

 ミアルがそっと手を伸ばした瞬間、ジュンはすばやく寝台に体を沈め、彼女に背を向けた。
 背中を晒すことすら、ジュンには屈辱に思えた。だが、それ以外にできることがなかった。

 ミアルは、目の前のジュンの背中をただ見つめていた。その肩の線は、ひどく力なく見えた。
 ミアルは乱雑に抱かれたことよりも、ジュンへの後悔の気持ちでいっぱいだった。
(ジュン様……こんな姿を誰にも見せたくなかったはず……)

 懺悔するように、ミアルがジュンの背へ触れた瞬間、彼の体が跳ねた。――まるで深い傷に触れられたように。
 ミアルは、即座に手を引っ込めた。

 部屋には、風の音だけが流れていた。

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