小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第44話 やさぐれた交わり(6/6)
やがて、背を向けたままのジュンが、くぐもった声で言った。
「――薬が俺の衣《ころも》に入っている。飲んでおけ」
「はい……」
ミアルは衣を軽く整えて、寝台から下りた。
床に落ちているジュンの衣を拾い上げ、ろうそくに照らしながらそれを探った。
ジュンはこっそりと振り返り、ミアルを横目で見ていた。あかりに照らされた彼女の横顔は、静かだった。
ミアルは小さな布包みから丸薬《がんやく》を取り出し、ためらいなく口に含んだ。
ジュンの目がわずかに見開かれた。
そして、ミアルは水差しから茶碗に水を注ぎ、さらりと飲み込んだ。――まったく表情を変えず、まるで何も考えていないように。
ジュンの中に、衝撃が走った。
(あの女は、知っているはずだ。
監察官の件で、今や宮中が警戒していることも、皇帝が調査を命じていることも……。
なぜ……あんなにあっさりと飲める……?)
ジュンはミアルからすばやく視線を外して、背を向けた。だが、動揺は振り払えなかった。
(俺を信じてるのか……?
――いや、違う。
きっと壊れてるんだ……あの女。
そうに決まっている)
理屈では説明できない感情が、ジュンの喉奥にへばりついていた。
ミアルは寝台に戻り、またジュンの隣に横たわった。ジュンの後頭部をしばらく眺めていたが、やがてそっと目を閉じた。
やがて、背を向けたままのジュンが、くぐもった声で言った。
「――薬が俺の衣《ころも》に入っている。飲んでおけ」
「はい……」
ミアルは衣を軽く整えて、寝台から下りた。
床に落ちているジュンの衣を拾い上げ、ろうそくに照らしながらそれを探った。
ジュンはこっそりと振り返り、ミアルを横目で見ていた。あかりに照らされた彼女の横顔は、静かだった。
ミアルは小さな布包みから丸薬《がんやく》を取り出し、ためらいなく口に含んだ。
ジュンの目がわずかに見開かれた。
そして、ミアルは水差しから茶碗に水を注ぎ、さらりと飲み込んだ。――まったく表情を変えず、まるで何も考えていないように。
ジュンの中に、衝撃が走った。
(あの女は、知っているはずだ。
監察官の件で、今や宮中が警戒していることも、皇帝が調査を命じていることも……。
なぜ……あんなにあっさりと飲める……?)
ジュンはミアルからすばやく視線を外して、背を向けた。だが、動揺は振り払えなかった。
(俺を信じてるのか……?
――いや、違う。
きっと壊れてるんだ……あの女。
そうに決まっている)
理屈では説明できない感情が、ジュンの喉奥にへばりついていた。
ミアルは寝台に戻り、またジュンの隣に横たわった。ジュンの後頭部をしばらく眺めていたが、やがてそっと目を閉じた。