小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第46話 今さらの急浮上(5/6)




 数日後、全ての調査が完了した。ジュンにかけられていた疑いは晴れた。

 正殿で、ゼフォンは再びジュンと対面していた。
「ドン監察官を救った功績、確かに見届けた」

 ドン監察官も渋々ながら口を開く。
「不当な疑いをかけたことについても、詫びを述べるべきだろう」

「恩賞を与えよう。望みがあれば申せ」というゼフォンの申し出を、ジュンは断った。

「先日も申し上げました通り、ドン監察官をお救いしたのは、ただ恩返しを果たすためにございます」
 ジュンは深々と頭を下げたが、心は静かに燃えていた。
(今に見てろ。
俺が皇帝になったら、貴様らの首を城門に晒してやる)



 ジュンが毒を盛ったとの流言については、緘口令《かんこうれい※》が敷かれた。 [※ある事柄について、口外することを禁じること]
 ゼフォンとドン監察官の名誉を守るためである。功績を上げた者を糾弾したなど、彼らにとって不名誉だからだ。

 ジュンの領地と財産は半分戻ってきた。さらに、謹慎・降格処分以来続いていた、私邸の監視は解けた。
 褒美を辞退したジュンに恩賞を与えられたのは、ゼフォンの体面を保つためだった。

 ジュンは、内心であざ笑った。もう、功績などどうでも良かった。
(エサをやれば懐くと思っていやがる……傲慢な奴め。
だが、俺はどうかしていた。
なぜ、皇帝や皇后におとなしく従っていたんだ……?
俺には力があるのに)
 ジュンはすでに、謀反の準備を進めていた。

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