小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第48話 皇帝と臣下(3/5)
◆
紫微殿《しびでん》の執務室に、わずかな緊張が漂っていた。
ゼフォンの手元には、ミアルからの密書があった。
(なぜ、ミアルがジュンの謀反を知っている……?
まさか、あの男と――いや、ありえん。
ミアルはそんな女子《おなご》ではない)
ゼフォンの目の前には、呼びつけた密偵たちがいる。彼らは侍衛と似たような恰好をしているが、公式には存在しない、ゼフォン直属の私設部隊だ。
「ラン・ジュンに関して、ここ10日間の報告をせよ」
密偵が「特段の異常は、ございませんでした」と答えると、ゼフォンは眉をひそめた。
「異常はなかったと?」
「は……」
「――では、なぜミアルから密書が届いて、貴様らからは何も上がらなかった?」
ゼフォンの声は静かだが、室内の空気が一気に張り詰める。
チャオ内侍からミアルの密書を渡された密偵は、中に目を通した。すると、密偵の顔に困惑の色がわずかに浮かんだ。
「ラン・ジュンは、私兵を動かすどころか、いつも通り執務をこなし、規律も乱しておりませんでした……」
ゼフォンが密偵を、じろりとにらんだ。
「謀反とは、兵を動かすことだとしか、貴様は思っておらぬのか?」
「私の失態でございます」
「ラン・ジュンの周囲を再び洗え。
誰と接触しているか、何を動かしているか……余さず知らせよ」
「承知いたしました」
密偵は、足早に退室していった。
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紫微殿《しびでん》の執務室に、わずかな緊張が漂っていた。
ゼフォンの手元には、ミアルからの密書があった。
(なぜ、ミアルがジュンの謀反を知っている……?
まさか、あの男と――いや、ありえん。
ミアルはそんな女子《おなご》ではない)
ゼフォンの目の前には、呼びつけた密偵たちがいる。彼らは侍衛と似たような恰好をしているが、公式には存在しない、ゼフォン直属の私設部隊だ。
「ラン・ジュンに関して、ここ10日間の報告をせよ」
密偵が「特段の異常は、ございませんでした」と答えると、ゼフォンは眉をひそめた。
「異常はなかったと?」
「は……」
「――では、なぜミアルから密書が届いて、貴様らからは何も上がらなかった?」
ゼフォンの声は静かだが、室内の空気が一気に張り詰める。
チャオ内侍からミアルの密書を渡された密偵は、中に目を通した。すると、密偵の顔に困惑の色がわずかに浮かんだ。
「ラン・ジュンは、私兵を動かすどころか、いつも通り執務をこなし、規律も乱しておりませんでした……」
ゼフォンが密偵を、じろりとにらんだ。
「謀反とは、兵を動かすことだとしか、貴様は思っておらぬのか?」
「私の失態でございます」
「ラン・ジュンの周囲を再び洗え。
誰と接触しているか、何を動かしているか……余さず知らせよ」
「承知いたしました」
密偵は、足早に退室していった。