小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―

第49話 一瞬の本音

第49話 一瞬の本音(1/6)


 ゼフォンはシャオレイが震えていることに気づいた。彼女の手を取り、そっと立たせて、椅子に座らせる。
 そして、イラ立ちを押し込めて静かに言った。
「ミアルの捜索は命じるから、安心せよ。
――他に伝えるべきことがあるのなら、今話すのだ」
 ゼフォンは、シャオレイの言葉をすべて信じたかった。だが、自分の把握していないことが存在するという事実が、ゼフォンをイラ立たせる。

 シャオレイは、声の震えを抑えて言った。
「ラン衛帥《えいすい》が、謀反を企てていると――今朝、ミアルから申告を受けておりました」

 ゼフォンの視線が、一気に鋭くなった。

 ヒリついた空気に圧倒され、シャオレイは裙《くん》をぎゅっと掴んだ。

 ゼフォンは、つとめて理性的に言った。
「予も今朝、ミアルから書簡にて報告を受けていた。
ラン・ジュンの企ての証しはあるか?」

「いいえ、ございません」

「今朝、ミアルから聞いたと言ったな?
すぐに予へ報告しに来なかったのは、なぜだ?」

「申し訳ありません。
”後宮が政《まつりごと》に口を出してはならぬ”という掟があると、存じておりましたので……」

 その言葉を聞いた瞬間、ゼフォンの胸に再びイラ立ちが湧いた。
「それとこれとは、話が別だ……!
そなたは妃なのだぞ?
ならばミアルではなく、そなたが予に報告しに来るのが筋であろう!?」

「おっしゃる通りでございます……。
愚かな私めに、罰をお与えください」

< 239 / 250 >

この作品をシェア

pagetop