小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第50話 義兄《あに》からの脱却(3/6)


 シャオレイが不安げに言った。
「フェイリンなら勝てるのよね?ジュンに」

 シャオレイの問いに、フェイリンは一瞬黙った。
「――うまくやる。
俺が行くまで、シャン嬢は持つはずだ。
あいつに貸しを作ってやるのもいい」
 フェイリンはふんと鼻を鳴らし、地図を懐にしまった。

「ありがとう……兄さん」
(ミアルを救うことは、フェイリンの仇討ちに何の関係もない。
むしろ危険が増えるだけ……)

 シャオレイは眉を寄せて、息をついた。
「――ジュンがミアルにこんなに執着するとは思わなかった……。
だって、ミアルも言ってたわ。
”ジュンは飽きたら、二度とその女に接しない。
妾を囲っていたのも、彼女たちの実家に便宜を図ったから。
だから、彼に飽きられる前にけりをつけないと”って」

「奴はミアルを気に入ったんだろう」

「女たらしなのに?」

「人間だから、そういうこともある」

「兄さんまるで、ラン・ジュンの理解者みたい……」

 フェイリンは、ジュンに同調していた自分に気づき、話をそらした。
「少なくとも、ここが戦場になることは無いはずだ。
だが、万が一に備えてそなたは隠し部屋で寝ろ」

「そうね……。
私はあなたの無事を祈るしかないのが、申し訳ないけど……」

「そなたは後宮からは出られない。
仕方ないだろう」

「――陛下に想定外のことが起きるかもしれないから、後悔したくないの」

 ゼフォンを気遣うシャオレイの言葉が、フェイリンに火をつけた。

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