小鳥の爪―寵姫は2番目の恋に落ちる―
第5話 仇討ちの理由(2/5)
◆
御花園《ぎょかえん※》は夕陽に染まっていた。 [※花の咲き乱れる美しい庭園]
初夏の花々がそよ風に揺れ、甘やかな香りを漂わせている。
シャオレイはゼフォンの腕に絡みつきながら、御花園を歩いていた。ゼフォンの腕に頬を寄せて、そのぬくもりにうっとりする。ゼフォンをちらりと見上げると、彼もまたこちらを見つめていた。
ふたりに、小さな笑い声がこぼれる。
シャオレイは立ち止まり、咲き誇る花の香りを吸い込んで言った。
「陛下……。私、いただきたいものがあるのですが」
「衣か?かんざしか?なんでも申すがよい」
「もっと気の利く侍女がほしいの。――だめかしら?」
「シンルイがいるだろう?なかなかの古株だったと思うが」
「あの子は優秀だけど、刺客事件の時にぶるぶる震えて、ちっとも頼りにならなかったわ」
シャオレイは唇をとがらせ、かわいらしく首を振った。それから、ゼフォンの胸をつんつんと突いた。
「私の所には陛下がよくお越しになるから、快適にしておきたいの」
ゼフォンは目を細めながら、しばし考えて言った。
「――そういえば、乳母の娘のミアルがいたな。予の幼なじみだから信用できる。
あとでそなたの宮に遣わそう」
シャオレイはぱっと顔を輝かせ、うやうやしく礼をした。
「ありがとう存じます、陛下」
そして再びゼフォンの腕に絡みついて、そっと口づけた。
◆
御花園《ぎょかえん※》は夕陽に染まっていた。 [※花の咲き乱れる美しい庭園]
初夏の花々がそよ風に揺れ、甘やかな香りを漂わせている。
シャオレイはゼフォンの腕に絡みつきながら、御花園を歩いていた。ゼフォンの腕に頬を寄せて、そのぬくもりにうっとりする。ゼフォンをちらりと見上げると、彼もまたこちらを見つめていた。
ふたりに、小さな笑い声がこぼれる。
シャオレイは立ち止まり、咲き誇る花の香りを吸い込んで言った。
「陛下……。私、いただきたいものがあるのですが」
「衣か?かんざしか?なんでも申すがよい」
「もっと気の利く侍女がほしいの。――だめかしら?」
「シンルイがいるだろう?なかなかの古株だったと思うが」
「あの子は優秀だけど、刺客事件の時にぶるぶる震えて、ちっとも頼りにならなかったわ」
シャオレイは唇をとがらせ、かわいらしく首を振った。それから、ゼフォンの胸をつんつんと突いた。
「私の所には陛下がよくお越しになるから、快適にしておきたいの」
ゼフォンは目を細めながら、しばし考えて言った。
「――そういえば、乳母の娘のミアルがいたな。予の幼なじみだから信用できる。
あとでそなたの宮に遣わそう」
シャオレイはぱっと顔を輝かせ、うやうやしく礼をした。
「ありがとう存じます、陛下」
そして再びゼフォンの腕に絡みついて、そっと口づけた。