小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第51話 ジュンからの真心(3/5)


 ミアルは、12年分の想いを吐露した。
「最初は、あなたを面白がっていただけなの。
活《い》きがいいのが入ってきたって。
でも、あなたが14で声変わりして、17で誰よりもたくましくなって、18で妾《めかけ》を囲い始めた頃から、許せなくなったの。
だってあなたは、決して私を選んでくれないし、私の体に触れてくれないんだもの。
私にはあなただけだったのに、怒りと嫉妬が積み重なって狂いそうだった。
身勝手な女なの、私……」

 ジュンは黙って聞いている。だが、目を細め、口元をゆがめていた。

「でも分かってたの。
だって私は、陛下の幼なじみだもの。
いくら節操のないあなたでも、そんな危険な女に近付くわけないわ」

「俺は、お前を知らなかっ――」

 ミアルはジュンの唇を指でふさぎ、「言わないで」と伝えた。
「分かってたわ。私はただの、宮廷の風景だってこと。
――でもあなたが今、私をこんなにも求めてくれるなんて……」
 ミアルの喉から、甘い声が漏れている。そのことに、彼女自身でも驚いていたが、もう止まらなかった。
 ミアルの震える指先が、ジュンの頬を撫でる。

「あなたと逢瀬を重ねても、私なんて他の女と同じだと思ってた。
あなたに飽きられたら、捨てられてしまうと……。
でも……違ったのね。
ジュン様は私を手放すつもりなど、まるでない――」
 ミアルの瞳から、涙がひとすじ流れ落ちた。ミアルは、自分がジュンにとって特別な存在であることが、たまらなく嬉しかった。

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