小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第51話 ジュンからの真心(4/5)


「俺を楽しませられるお前を、俺が手放すわけないだろう?」
 ジュンのその言葉の裏にあったのは、ただの支配欲ではなかった。
(お前が俺を皇帝へ密告していたと、自白しないのはなぜだ?
……本当に俺を裏切っていないのか?)

 だが、ミアルはジュンの胸元を両手で握りしめながら必死に訴えた。
「私も……ジュン様にそばにいてほしい。
ずっとあなたの物語を見ていたい――。
あなたがいなくなったら、生きていけないの……!
だから――だから……謀反なんてやめてちょうだい……!
うまくいくわけないわ。
捕まって処刑されるだけよ……やめて……お願い……!」

 ミアルの涙が次々とあふれ出す。だが、ジュンはそれを楽しむように眺めていた。
(そこまで言うのか。それならお前を信じてやる……特別にな)
 ジュンは優しくミアルを抱き寄せ、背中をさすった。

「お前は女子《おなご》だから怖いんだな。
――安心しろ、俺は今まで戦で負けたことはない」

「そういうことを言ってるんじゃないのよ……!」
 ミアルの声は悲痛だった。

 だが、ジュンの表情は変わらなかった。
「お前はここで朗報を待っていればいい。
――ずっとそばにいてやりたいが、そうもいかないんでな」
 そう言い残し、ジュンは部屋を後にした。扉が閉まり、外から鍵がかけられる音が立った。

 ジュンが立ち去った後、部屋には静けさが広がった。

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