小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第52話 謀反の夜(2/5)
◆
時は少しさかのぼる。
ジュンは退勤するふりをして、深夜まで宮中に潜んでいた。
(護衛など、ぬるい務めだと思っていたが……役に立つ時が来るとはな)
ジュンは、宮中の抜け道や警備の配置も知り尽くしていた。だから、紫微殿《しびでん》の寝所にたどり着くのは容易だった。
ジュンは、寝台の帳《とばり》をそっと開けた。それから、音もなく刀を振り下ろし、布団に突き刺す。だが、瞬時に違和感を覚えた。
布団をめくると、ゼフォンはいなかった。
突然四方から足音が響き、ジュンは禁軍の兵たちに取り囲まれた。
謀反は失敗したと、ジュンは瞬時に悟った。だが、不敵な笑みを浮かべて呟いた。
「ミアル……やはり俺を裏切っていた。帰ったら躾け直しだ」
襲いかかってくる兵たちの姿を見て、ジュンの瞳が狂気に輝く。
「俺はな――……こういうのが好きなんだ!」
目の前に次々と現れる標的は、ジュンの遊び道具にすぎなかった。
ジュンが刀を振るうたびに、紅いしぶきが空へと舞い上がる。切り裂かれた胴体が倒れる音すら、ジュンには楽し気な音楽にしか聞こえなかった。
「手ごたえの無い奴らだな……ハハッ!」
ジュンはゆがんだ笑みを浮かべたまま、包囲網をあっさりと潜り抜けていった。
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時は少しさかのぼる。
ジュンは退勤するふりをして、深夜まで宮中に潜んでいた。
(護衛など、ぬるい務めだと思っていたが……役に立つ時が来るとはな)
ジュンは、宮中の抜け道や警備の配置も知り尽くしていた。だから、紫微殿《しびでん》の寝所にたどり着くのは容易だった。
ジュンは、寝台の帳《とばり》をそっと開けた。それから、音もなく刀を振り下ろし、布団に突き刺す。だが、瞬時に違和感を覚えた。
布団をめくると、ゼフォンはいなかった。
突然四方から足音が響き、ジュンは禁軍の兵たちに取り囲まれた。
謀反は失敗したと、ジュンは瞬時に悟った。だが、不敵な笑みを浮かべて呟いた。
「ミアル……やはり俺を裏切っていた。帰ったら躾け直しだ」
襲いかかってくる兵たちの姿を見て、ジュンの瞳が狂気に輝く。
「俺はな――……こういうのが好きなんだ!」
目の前に次々と現れる標的は、ジュンの遊び道具にすぎなかった。
ジュンが刀を振るうたびに、紅いしぶきが空へと舞い上がる。切り裂かれた胴体が倒れる音すら、ジュンには楽し気な音楽にしか聞こえなかった。
「手ごたえの無い奴らだな……ハハッ!」
ジュンはゆがんだ笑みを浮かべたまま、包囲網をあっさりと潜り抜けていった。