小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第53話 妃への誤読(4/5)
◆
朝議が終わり、ゼフォンは紫微殿《しびでん》の執務室に戻っていた。部屋の中を歩き回りながら、イラ立ちを持て余す。
涼しい笑みを浮かべたメイレンの顔が、ゼフォンの頭に浮かぶ。
(ラン・メイレン、白々しく言い逃れを……。
――だが、それを否定できる材料はこちらにはない)
メイレンの指摘通り、謀反の首謀者がジュンだという証《あか》しは、ゼフォンには無かった。
禁軍の目撃証言はある。だが、肝心のジュンを捕らえてはいないのだ。
ふと、シャオレイがメイレンの姿に重なった。
(いや、カナリアは”隠し事”をしているだけだ。
あの毒婦のように画策などはしていない――)
ゼフォンは椅子に座り、眉間を押さえて目を閉じた。そして、大きく息をついた。
朝議で責め立てられた疲労が、ゼフォンを覆っていた。
チャオ内侍が、シャオレイからの差し入れの菓子を盆に乗せて、ゼフォンへ差し出した。
「カナリア妃様は、午前中に紫微殿へいらっしゃいました。
のちに、またいらっしゃるかと……」
ゼフォンは菓子をちらりと見て、手を払った。
チャオ内侍は、菓子を下げた。
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朝議が終わり、ゼフォンは紫微殿《しびでん》の執務室に戻っていた。部屋の中を歩き回りながら、イラ立ちを持て余す。
涼しい笑みを浮かべたメイレンの顔が、ゼフォンの頭に浮かぶ。
(ラン・メイレン、白々しく言い逃れを……。
――だが、それを否定できる材料はこちらにはない)
メイレンの指摘通り、謀反の首謀者がジュンだという証《あか》しは、ゼフォンには無かった。
禁軍の目撃証言はある。だが、肝心のジュンを捕らえてはいないのだ。
ふと、シャオレイがメイレンの姿に重なった。
(いや、カナリアは”隠し事”をしているだけだ。
あの毒婦のように画策などはしていない――)
ゼフォンは椅子に座り、眉間を押さえて目を閉じた。そして、大きく息をついた。
朝議で責め立てられた疲労が、ゼフォンを覆っていた。
チャオ内侍が、シャオレイからの差し入れの菓子を盆に乗せて、ゼフォンへ差し出した。
「カナリア妃様は、午前中に紫微殿へいらっしゃいました。
のちに、またいらっしゃるかと……」
ゼフォンは菓子をちらりと見て、手を払った。
チャオ内侍は、菓子を下げた。