小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第53話 妃への誤読(5/5)
やがて、妃たちが次々と差し入れを持って来た。彼女たちはこぞって優しい言葉をかけ、ゼフォンをねぎらった。
「陛下、お疲れでしょう。
どうか少しでもお休みくださいませ」
「無理をなさらぬよう、お体を大切に」
妃たちの気遣いは、ゼフォンには心地よかった。だが、ゼフォンの心の奥にあるイラ立ちは解消されなかった。
それは、ゼフォンの最も気にかける妃――シャオレイが現れなかったからだ。
(なぜ、来ない!?)
ゼフォンは先日、隠し事をするシャオレイを必要以上に問い詰めなかった。
そんなことをせずとも、シャオレイ自ら弁明しに来ると、ゼフォンは信じていたからだ。だが、シャオレイは一向に現れない。
(予への挨拶もなく、菓子だけ寄越して終わりとは……。
妃としての務めを忘れたか……?)
そのとき、チャオ内侍がゼフォンへ報告した。
「ロウ侍医より、カナリア妃様に安静が必要との申し出がございました。
脈が乱れており、昨夜の騒動による疲労と緊張が重なったとのこと」
ゼフォンは無言で目を伏せた。だが、胸の奥のわだかまりは消えなかった。
(カナリアが寝込んでいる……?
もしや、先日予に叱責されたから、会わないつもりか。
拗ねているのか?
それとも――予からの信頼は、もはやいらぬとでも?)
「妃としての節度も忘れたか……カナリア」
ゼフォンはひとり、呟いた。
やがて、妃たちが次々と差し入れを持って来た。彼女たちはこぞって優しい言葉をかけ、ゼフォンをねぎらった。
「陛下、お疲れでしょう。
どうか少しでもお休みくださいませ」
「無理をなさらぬよう、お体を大切に」
妃たちの気遣いは、ゼフォンには心地よかった。だが、ゼフォンの心の奥にあるイラ立ちは解消されなかった。
それは、ゼフォンの最も気にかける妃――シャオレイが現れなかったからだ。
(なぜ、来ない!?)
ゼフォンは先日、隠し事をするシャオレイを必要以上に問い詰めなかった。
そんなことをせずとも、シャオレイ自ら弁明しに来ると、ゼフォンは信じていたからだ。だが、シャオレイは一向に現れない。
(予への挨拶もなく、菓子だけ寄越して終わりとは……。
妃としての務めを忘れたか……?)
そのとき、チャオ内侍がゼフォンへ報告した。
「ロウ侍医より、カナリア妃様に安静が必要との申し出がございました。
脈が乱れており、昨夜の騒動による疲労と緊張が重なったとのこと」
ゼフォンは無言で目を伏せた。だが、胸の奥のわだかまりは消えなかった。
(カナリアが寝込んでいる……?
もしや、先日予に叱責されたから、会わないつもりか。
拗ねているのか?
それとも――予からの信頼は、もはやいらぬとでも?)
「妃としての節度も忘れたか……カナリア」
ゼフォンはひとり、呟いた。