小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第54話 冷ややかな理性(3/5)
◆
都から遠く離れたチンリン山中を、1台の馬車と数頭の馬が進んでいた。
ミアルは朝から、ジュンの配下たちによって馬車で移動させられていた。ジュンの指示で、別の拠点へ行くためだ。
山奥へ進むうちに、やがて馬車は広々とした洞窟の前で止まった。
配下たちは、幕舎《ばくしゃ※》を組み立て始めた。 [※兵が生活するテント]
ミアルは馬車で待機していた。その胸中は、不安と焦りに満ちていた。
(ジュン様、大丈夫かしら……。
でも謀反が成功すれば、陛下とカナリア妃様が危ないわ)
幕舎が完成し、ミアルは中へ案内された。
すると、配下が衣《ころも》一式と化粧道具をミアルに渡した。それは、ジュンからの贈り物だった。
繊細な刺繍が施された深緑色の衣とおそろいの靴、光を受けてしっとりと輝いている裙《くん》、絹で作られた桃色の花の髪飾り――以前贈られたものよりも華やかなそれらは、ミアルの不安を吹き飛ばし、女心をくすぐった。
ミアルは早速着替えて、衣《ころも》にふさわしい髪型に結い直した。
(ジュン様が戻ってきたときのために、綺麗な私にしておかなきゃ)
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都から遠く離れたチンリン山中を、1台の馬車と数頭の馬が進んでいた。
ミアルは朝から、ジュンの配下たちによって馬車で移動させられていた。ジュンの指示で、別の拠点へ行くためだ。
山奥へ進むうちに、やがて馬車は広々とした洞窟の前で止まった。
配下たちは、幕舎《ばくしゃ※》を組み立て始めた。 [※兵が生活するテント]
ミアルは馬車で待機していた。その胸中は、不安と焦りに満ちていた。
(ジュン様、大丈夫かしら……。
でも謀反が成功すれば、陛下とカナリア妃様が危ないわ)
幕舎が完成し、ミアルは中へ案内された。
すると、配下が衣《ころも》一式と化粧道具をミアルに渡した。それは、ジュンからの贈り物だった。
繊細な刺繍が施された深緑色の衣とおそろいの靴、光を受けてしっとりと輝いている裙《くん》、絹で作られた桃色の花の髪飾り――以前贈られたものよりも華やかなそれらは、ミアルの不安を吹き飛ばし、女心をくすぐった。
ミアルは早速着替えて、衣《ころも》にふさわしい髪型に結い直した。
(ジュン様が戻ってきたときのために、綺麗な私にしておかなきゃ)