小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第54話 冷ややかな理性(5/5)
ジュンは、汚れた衣を脱ぎ始めた。傷ひとつないその体が、彼の戦闘力の高さを物語っていた。
「禁軍の奴らと遊んでやったが、少しは楽しめたな」
「遊んだ?」
ミアルはジュンの着替えを手伝いながら、問うた。
「奴らに待ち伏せされてたんだ。俺を仕留めようとしてきたが、返り討ちにしてやった」
「……どんなふうに?」
ミアルが思わず興味津々で聞くと、ジュンは楽しそうに語り始めた。
皇帝の寝所で取り囲まれて、全員を斬り倒したこと。
城壁の上にいる指揮官を槍で仕留めたこと――。
着替え終わったジュンは、寝台へ腰かけた。それから、自分の膝の上にミアルを乗せる。
「頭を潰すのが一番速い」
「ジュン様らしいわ」
「お前も来ればよかったのだ。――ああダメだな、お前は真っ先に死ぬ」
ジュンの冗談に、ミアルはハッと我に返った。自分が楽しんでいたことに気づき、急に冷静さを取り戻したのだ。
ミアルの心の片隅にいる理性的な彼女が、冷ややかな目で見ていた。
ミアルは、ジュンの胸に顔を埋めた。
ジュンはミアルが甘えていると思い、大きな手のひらで彼女の髪を撫でた。
「ジュン様はずるいわ……」
「何がだ?」
「どうしてこんなに、面白いの……」
「仕方ない……俺はそういう男なんだ」
「――陛下とは結局、お会いしなかったの?」
「手合わせしてやりたかったが、奴はどこかへ避難していたらしい。
きっと女の胸の中で震えていたのだ」
あざ笑うジュンに対し、ミアルはゼフォンの無事を知って安堵した。
「――ねえジュン様、この国を出ましょう……?」
ミアルの思い切った提案に、ジュンはあっさりと答えた。
「俺もそれを考えていた。ミアルは俺の理解者だな」
「本当に!?」
「新天地で即位して、兵を増強するのが得策だ。
――それからこの国を頂く。
喜べ、お前はじきに皇后だ」
ジュンの言葉に、ミアルは落胆した。彼にとっての亡命とは、謀反の延長に過ぎないのだ。
ジュンは、汚れた衣を脱ぎ始めた。傷ひとつないその体が、彼の戦闘力の高さを物語っていた。
「禁軍の奴らと遊んでやったが、少しは楽しめたな」
「遊んだ?」
ミアルはジュンの着替えを手伝いながら、問うた。
「奴らに待ち伏せされてたんだ。俺を仕留めようとしてきたが、返り討ちにしてやった」
「……どんなふうに?」
ミアルが思わず興味津々で聞くと、ジュンは楽しそうに語り始めた。
皇帝の寝所で取り囲まれて、全員を斬り倒したこと。
城壁の上にいる指揮官を槍で仕留めたこと――。
着替え終わったジュンは、寝台へ腰かけた。それから、自分の膝の上にミアルを乗せる。
「頭を潰すのが一番速い」
「ジュン様らしいわ」
「お前も来ればよかったのだ。――ああダメだな、お前は真っ先に死ぬ」
ジュンの冗談に、ミアルはハッと我に返った。自分が楽しんでいたことに気づき、急に冷静さを取り戻したのだ。
ミアルの心の片隅にいる理性的な彼女が、冷ややかな目で見ていた。
ミアルは、ジュンの胸に顔を埋めた。
ジュンはミアルが甘えていると思い、大きな手のひらで彼女の髪を撫でた。
「ジュン様はずるいわ……」
「何がだ?」
「どうしてこんなに、面白いの……」
「仕方ない……俺はそういう男なんだ」
「――陛下とは結局、お会いしなかったの?」
「手合わせしてやりたかったが、奴はどこかへ避難していたらしい。
きっと女の胸の中で震えていたのだ」
あざ笑うジュンに対し、ミアルはゼフォンの無事を知って安堵した。
「――ねえジュン様、この国を出ましょう……?」
ミアルの思い切った提案に、ジュンはあっさりと答えた。
「俺もそれを考えていた。ミアルは俺の理解者だな」
「本当に!?」
「新天地で即位して、兵を増強するのが得策だ。
――それからこの国を頂く。
喜べ、お前はじきに皇后だ」
ジュンの言葉に、ミアルは落胆した。彼にとっての亡命とは、謀反の延長に過ぎないのだ。