小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第55話 甘くて美しい罰
第55話 甘くて美しい罰(1/3)
だが、ミアルは諦めなかった。
「ジュン様はどうして……帝位が欲しいの?」
「俺の力を天下に知らしめるためだ。
俺はいつまでも、檻で飼われる犬じゃない」
「――みんながあなたを認めてくれないから、悲しいのね」
率直なミアルの言葉に、ジュンは眉を上げた。
「連戦連勝で地方を救ったのに、折衝都尉《せっしょうとい》の座から引きずり降ろされた。
宿敵のドン監察官の命を救ったのに、毒を盛ったと疑われた。
――それが痛かったのね」
「ミアル、何が言いたい?」
「ジュン様は強いし、頭もいい。
でも……とても傷つきやすい人。
傷ついたとき、あなたは我慢しない。
誰よりも早く刀を取って、全部壊してしまう。
それが悪いとは思わないわ。
あなたのまっすぐさが、私は好き。
でもそれだけでは、人はあなたについてこないの。
あなたの力を利用する人はいても、あなた自身を信じてくれる人は少ないから。
信じるには、あなたのすべてを知っていなきゃいけないの。
――私が、そうであるように。
でも、人が私と同じことをするのは難しいわ。
あなたが思うよりも……人はずっと弱いから」
ジュンはほのかに湧いたイラ立ちを、ミアルにぶつけた。
「――お前はなぜ、俺のすることを否定する?
俺の理解者なんだろ……?」
ミアルはしばらくジュンを見つめていたが、目を伏せて黙っていた。だが、意を決してぽつりと言った。
「皇帝とは……”己を殺して国を生かす者”だと思うわ」
そのたった一言に、ジュンは密かに衝撃を受けた。ミアルへ反論したかったが、言葉が出てこない。ミアルの指摘が事実だと、認めたくなかった。
(俺が我慢できないとでもいうのか……?
まわりが俺を怒らせるのが悪い。
それに、弱い奴は強い者に従うのが理《ことわり》だ)
そのときジュンは気づいた。――ミアルが彼を止めようとしているのではなく、救おうとしていることに。
(救う……何様のつもりだ)
だが、ミアルは諦めなかった。
「ジュン様はどうして……帝位が欲しいの?」
「俺の力を天下に知らしめるためだ。
俺はいつまでも、檻で飼われる犬じゃない」
「――みんながあなたを認めてくれないから、悲しいのね」
率直なミアルの言葉に、ジュンは眉を上げた。
「連戦連勝で地方を救ったのに、折衝都尉《せっしょうとい》の座から引きずり降ろされた。
宿敵のドン監察官の命を救ったのに、毒を盛ったと疑われた。
――それが痛かったのね」
「ミアル、何が言いたい?」
「ジュン様は強いし、頭もいい。
でも……とても傷つきやすい人。
傷ついたとき、あなたは我慢しない。
誰よりも早く刀を取って、全部壊してしまう。
それが悪いとは思わないわ。
あなたのまっすぐさが、私は好き。
でもそれだけでは、人はあなたについてこないの。
あなたの力を利用する人はいても、あなた自身を信じてくれる人は少ないから。
信じるには、あなたのすべてを知っていなきゃいけないの。
――私が、そうであるように。
でも、人が私と同じことをするのは難しいわ。
あなたが思うよりも……人はずっと弱いから」
ジュンはほのかに湧いたイラ立ちを、ミアルにぶつけた。
「――お前はなぜ、俺のすることを否定する?
俺の理解者なんだろ……?」
ミアルはしばらくジュンを見つめていたが、目を伏せて黙っていた。だが、意を決してぽつりと言った。
「皇帝とは……”己を殺して国を生かす者”だと思うわ」
そのたった一言に、ジュンは密かに衝撃を受けた。ミアルへ反論したかったが、言葉が出てこない。ミアルの指摘が事実だと、認めたくなかった。
(俺が我慢できないとでもいうのか……?
まわりが俺を怒らせるのが悪い。
それに、弱い奴は強い者に従うのが理《ことわり》だ)
そのときジュンは気づいた。――ミアルが彼を止めようとしているのではなく、救おうとしていることに。
(救う……何様のつもりだ)