小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第59話 自分への罰
第59話 自分への罰(1/5)
◆
幕舎へ戻る道を歩いているシャオレイの耳に、物音が届いてきた。シャオレイは素早く木陰に隠れて、その方向を盗み見た。
夕陽の中にいたのは、フェイリンだった。フェイリンは、くぼみに土をかけている。そこには、彼の配下とサン内侍の亡骸が横たわっていた。
シャオレイはフェイリンの近くへ寄り、土をかけるのを手伝った。
フェイリンはシャオレイを見ることもなく、黙々と作業を続けていた。
サン内侍との付き合いは短かったが、シャオレイの胸は痛んだ。シャオレイを無事にここまで連れてきてくれたのは、彼だからだ。
シャオレイの目から、自然と涙がこぼれる。
(”没落した実家の母親と弟妹たちが、食べて行けるようになった”と……喜んでいたわ。
危ないことでも進んで協力してくれた……)
そんなシャオレイを見ても、フェイリンは表情ひとつ変えなかった。それから、幕舎の前に転がっているジュンの配下たちの遺体を片付け始めた。
すべての作業が終わったあと、シャオレイはフェイリンの刀を渡して言った。
「これ……」
フェイリンは、無言のまま刀を受け取った。それから、川のほうへ向かった。
シャオレイはフェイリンへ声をかけるべきか迷ったが、言葉が見つからない。ただ、その背中を見送ることしかできなかった。
フェイリンの抱えてきた仇討ちの重さが、ようやく理解できた気がした。
(フェイリンは、やっぱりユン家の生き残りだったのね……。
でも彼はジュンを殺さなかった。
――いえ、殺せなかったんだわ。
……私と同じように)
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幕舎へ戻る道を歩いているシャオレイの耳に、物音が届いてきた。シャオレイは素早く木陰に隠れて、その方向を盗み見た。
夕陽の中にいたのは、フェイリンだった。フェイリンは、くぼみに土をかけている。そこには、彼の配下とサン内侍の亡骸が横たわっていた。
シャオレイはフェイリンの近くへ寄り、土をかけるのを手伝った。
フェイリンはシャオレイを見ることもなく、黙々と作業を続けていた。
サン内侍との付き合いは短かったが、シャオレイの胸は痛んだ。シャオレイを無事にここまで連れてきてくれたのは、彼だからだ。
シャオレイの目から、自然と涙がこぼれる。
(”没落した実家の母親と弟妹たちが、食べて行けるようになった”と……喜んでいたわ。
危ないことでも進んで協力してくれた……)
そんなシャオレイを見ても、フェイリンは表情ひとつ変えなかった。それから、幕舎の前に転がっているジュンの配下たちの遺体を片付け始めた。
すべての作業が終わったあと、シャオレイはフェイリンの刀を渡して言った。
「これ……」
フェイリンは、無言のまま刀を受け取った。それから、川のほうへ向かった。
シャオレイはフェイリンへ声をかけるべきか迷ったが、言葉が見つからない。ただ、その背中を見送ることしかできなかった。
フェイリンの抱えてきた仇討ちの重さが、ようやく理解できた気がした。
(フェイリンは、やっぱりユン家の生き残りだったのね……。
でも彼はジュンを殺さなかった。
――いえ、殺せなかったんだわ。
……私と同じように)