小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第59話 自分への罰(3/5)
◆
宵の空に浮かんだ月明かりが、静かに山を照らしている。
シャオレイは、川岸に立ち尽くしていた。その吐く息は白い。ジュンの血に染まった中衣《ちゅうい》を、しばらく見つめていた。
やがて、憎らしげに中衣を川へ叩き込んだ。
水しぶきが飛び散り、静けさを裂くように響いた。だが、川はすぐにその音を飲み込み、何事もなかったように流れ続ける。
シャオレイはしゃがんで、しばらく中衣を洗っていた。
ジュンの血がシャオレイをあざ笑いながら、川下へと流れていった。
シャオレイは、中衣をひと思いに燃やしてしまいたかった。
だが、ここは山奥だ。
替えの衣は手に入らないので、洗って使うしかない。――そんな現実が、シャオレイには余計に悔しかった。
やがて、シャオレイは中衣をねじって水を絞り出した。
それを河原へ放り投げると、突然シャオレイは、乱暴に服を脱ぎはじめた。夜気が肌に刺さるが、シャオレイの動きは止まらない。
川にざぶざぶと音を立てて入ると、川面に映る月は砕け、波紋にゆがんで消えた。
息が止まるほどの冷たさが、シャオレイを襲う。体温が奪われ、指先がじんじんとしびれていく。だが、シャオレイはやめなかった。
これは罰なのだ。――甘い自分自身への。
(こんなんじゃまた前世の二の舞だわ……私に陛下は守れるのかしら――)
シャオレイは自分の無力さを感じ、ギュっと目をつぶった。
冷たさが骨に染みる。だがその痛みこそが、シャオレイを正気に引き戻していた。
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宵の空に浮かんだ月明かりが、静かに山を照らしている。
シャオレイは、川岸に立ち尽くしていた。その吐く息は白い。ジュンの血に染まった中衣《ちゅうい》を、しばらく見つめていた。
やがて、憎らしげに中衣を川へ叩き込んだ。
水しぶきが飛び散り、静けさを裂くように響いた。だが、川はすぐにその音を飲み込み、何事もなかったように流れ続ける。
シャオレイはしゃがんで、しばらく中衣を洗っていた。
ジュンの血がシャオレイをあざ笑いながら、川下へと流れていった。
シャオレイは、中衣をひと思いに燃やしてしまいたかった。
だが、ここは山奥だ。
替えの衣は手に入らないので、洗って使うしかない。――そんな現実が、シャオレイには余計に悔しかった。
やがて、シャオレイは中衣をねじって水を絞り出した。
それを河原へ放り投げると、突然シャオレイは、乱暴に服を脱ぎはじめた。夜気が肌に刺さるが、シャオレイの動きは止まらない。
川にざぶざぶと音を立てて入ると、川面に映る月は砕け、波紋にゆがんで消えた。
息が止まるほどの冷たさが、シャオレイを襲う。体温が奪われ、指先がじんじんとしびれていく。だが、シャオレイはやめなかった。
これは罰なのだ。――甘い自分自身への。
(こんなんじゃまた前世の二の舞だわ……私に陛下は守れるのかしら――)
シャオレイは自分の無力さを感じ、ギュっと目をつぶった。
冷たさが骨に染みる。だがその痛みこそが、シャオレイを正気に引き戻していた。