小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第59話 自分への罰(4/5)
不意に、林の奥であかりが揺れた。
シャオレイはドキリとして、川に身を沈めた。
あかり――松明はゆっくりと近づいてくる。その持ち主は、フェイリンだった。
フェイリンは、いなくなったシャオレイを探しに来たのだ。彼の白髪《はくはつ》が、ぼんやりと光っていた。
そのときフェイリンは、川にひそむ者の気配を感じた。
即座に刀を抜き、「誰だ!?」と叫ぶ。
「わ、私……!」
そう言って、おずおずと川面から姿を出したのは――シャオレイだった。
フェイリンの目が、一瞬、シャオレイをとらえた。彼女の白い肌が、月の光で淡く浮かび上がっていた。
フェイリンは顔を背けて言った。
「そなたはいったい何をしている!?凍死するぞ」
「頭を冷やしたかったの……。――もう出るわ」
シャオレイの姿に、フェイリンの心はざわめいた。
だがフェイリンは、今のシャオレイにそういう目を向けたくはなかった。彼女をけがすような気がしたからだ。
それに、川に入っていたシャオレイの姿が、昼間のフェイリン自身と重なっていた。――感情を持て余して、理性で抑え込もうとした自分の姿と。
フェイリンは外套を脱ぐと、黙ってシャオレイへ差し出した。
シャオレイはかすれた声で「ありがとう」と言って、それを素肌に羽織った。それから、散らばった衣《ころも》を拾った。
フェイリンは何も言わず、シャオレイをそっと抱き上げた。
するとシャオレイは、フェイリンに遠慮がちにしがみついた。
山道を戻る途中、シャオレイは一度もフェイリンの顔を見られなかった。
(見られた……あんな姿を)
シャオレイに、裸を見られることのためらいは無かった。
だが――心の乱れを制御できずに、川へ入った自分。イラ立ちと悔しさで水に沈んだ姿。
それをフェイリンに知られたのが、何よりも恥ずかしかった。
不意に、林の奥であかりが揺れた。
シャオレイはドキリとして、川に身を沈めた。
あかり――松明はゆっくりと近づいてくる。その持ち主は、フェイリンだった。
フェイリンは、いなくなったシャオレイを探しに来たのだ。彼の白髪《はくはつ》が、ぼんやりと光っていた。
そのときフェイリンは、川にひそむ者の気配を感じた。
即座に刀を抜き、「誰だ!?」と叫ぶ。
「わ、私……!」
そう言って、おずおずと川面から姿を出したのは――シャオレイだった。
フェイリンの目が、一瞬、シャオレイをとらえた。彼女の白い肌が、月の光で淡く浮かび上がっていた。
フェイリンは顔を背けて言った。
「そなたはいったい何をしている!?凍死するぞ」
「頭を冷やしたかったの……。――もう出るわ」
シャオレイの姿に、フェイリンの心はざわめいた。
だがフェイリンは、今のシャオレイにそういう目を向けたくはなかった。彼女をけがすような気がしたからだ。
それに、川に入っていたシャオレイの姿が、昼間のフェイリン自身と重なっていた。――感情を持て余して、理性で抑え込もうとした自分の姿と。
フェイリンは外套を脱ぐと、黙ってシャオレイへ差し出した。
シャオレイはかすれた声で「ありがとう」と言って、それを素肌に羽織った。それから、散らばった衣《ころも》を拾った。
フェイリンは何も言わず、シャオレイをそっと抱き上げた。
するとシャオレイは、フェイリンに遠慮がちにしがみついた。
山道を戻る途中、シャオレイは一度もフェイリンの顔を見られなかった。
(見られた……あんな姿を)
シャオレイに、裸を見られることのためらいは無かった。
だが――心の乱れを制御できずに、川へ入った自分。イラ立ちと悔しさで水に沈んだ姿。
それをフェイリンに知られたのが、何よりも恥ずかしかった。