小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第60話 逃げられないほどの、まっすぐな愛(2/4)
ミアルはジュンの顔を覗き込んで言った。
「私は一生あなたについていく」
ミアルの声はあまりにもまっすぐで、ジュンは一瞬言葉を失った。
「――お前……俺に殺されかけたんだぞ?
恨んでないのか?」
「私はジュンを裏切った。
だから、あなたが怒るのも当然だわ」
ミアルは、ジュンに毒を飲まされて命を落としかけたことすら、受け入れていた。
それが、ジュンを混乱へ導く。
(なんなんだこの女は……やっぱり壊れてるのか?)
ミアルは「でも……」と切り出した。
「陛下とカナリア妃様、フェイリン殿に仇《あだ》なすなら――殺すわ」
その宣言で空気が変わった。ジュンはますます混乱したが――口元はゆがんだ。
「殺す……?俺を?」
「ええ」
「非力なお前が俺に勝てるわけない」
「それでもやるわ」
ミアルの声には、迷いが無かった。
ジュンは、ゆっくりと左手をミアルの細い首すじへと伸ばした。そのまま喉元に指を添える。
「傷を負った俺でも……おまえの首をへし折れるんだぞ?」
だが、ミアルは動かなかった。ただ、まっすぐにジュンを見つめていた。――腫れぼったい目で。
その目が、ジュンに昨日の出来事を思い出させた。
『殺さないで……お願い……殺さないで……』
それは、フェイリンに懇願する、泣きじゃくるミアルの言葉だった。
ジュンはためらっていた。
(死にゆく野良犬を、こいつは哀れに思って助けただけだ……。
そうに決まってる……)
その想いとは裏腹に、ジュンはゆっくりと手を離した。
その手をミアルが両手でつかみ、愛おしそうに頬ずりをした。
その仕草に、ジュンは眉間にしわを寄せて顔を背けた。
(俺を殺すかと思いきや、殺さないでと懇願する。
そのくせ今日になって、殺すと宣言する――)
「殺すのか、殺さないのか――はっきりしろ」
ジュンにはミアルが理解できない。それが、腹立たしかった。
ミアルはジュンの顔を覗き込んで言った。
「私は一生あなたについていく」
ミアルの声はあまりにもまっすぐで、ジュンは一瞬言葉を失った。
「――お前……俺に殺されかけたんだぞ?
恨んでないのか?」
「私はジュンを裏切った。
だから、あなたが怒るのも当然だわ」
ミアルは、ジュンに毒を飲まされて命を落としかけたことすら、受け入れていた。
それが、ジュンを混乱へ導く。
(なんなんだこの女は……やっぱり壊れてるのか?)
ミアルは「でも……」と切り出した。
「陛下とカナリア妃様、フェイリン殿に仇《あだ》なすなら――殺すわ」
その宣言で空気が変わった。ジュンはますます混乱したが――口元はゆがんだ。
「殺す……?俺を?」
「ええ」
「非力なお前が俺に勝てるわけない」
「それでもやるわ」
ミアルの声には、迷いが無かった。
ジュンは、ゆっくりと左手をミアルの細い首すじへと伸ばした。そのまま喉元に指を添える。
「傷を負った俺でも……おまえの首をへし折れるんだぞ?」
だが、ミアルは動かなかった。ただ、まっすぐにジュンを見つめていた。――腫れぼったい目で。
その目が、ジュンに昨日の出来事を思い出させた。
『殺さないで……お願い……殺さないで……』
それは、フェイリンに懇願する、泣きじゃくるミアルの言葉だった。
ジュンはためらっていた。
(死にゆく野良犬を、こいつは哀れに思って助けただけだ……。
そうに決まってる……)
その想いとは裏腹に、ジュンはゆっくりと手を離した。
その手をミアルが両手でつかみ、愛おしそうに頬ずりをした。
その仕草に、ジュンは眉間にしわを寄せて顔を背けた。
(俺を殺すかと思いきや、殺さないでと懇願する。
そのくせ今日になって、殺すと宣言する――)
「殺すのか、殺さないのか――はっきりしろ」
ジュンにはミアルが理解できない。それが、腹立たしかった。