小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第61話 休戦協定(3/5)




 シャオレイたちが、宮中へ戻る時が来た。

 シャオレイは幕舎の前で、ミアルと最後の別れをしていた。
「ミアルのそばにいてあげたいけど、もう宮中に戻らないといけないから」

「私のわがままを貫くのです。
これより先は……私の力で切り抜けます」

 シャオレイの胸は、かすかにザワついていた。
(私はラン・ジュンを信用してない。
あなたがどうして彼を選ぶのかも……正直まだ理解できない)
 だが、シャオレイはその言葉を飲み込んだ。ミアルの選択を信じて、応援することにした。
「――彼と一緒に、頑張ってね」

 ミアルは、深くうなずいた。

「今までありがとう。
あなたがいなかったら、乗り越えられなかったわ」

「私など、あまりお役に立てませんでした……。
ですが、カナリア妃様にいただいたご恩は、忘れません」

「――私ね、大人になってから友が出来たことなかったの。
だから、ミアルが私の友だったわ。
率直で、物の見方が独特で……とても楽しかった……」

 ミアルは目を潤ませて、そっとシャオレイに抱きついた。しばらくしてから、シャオレイの耳元で声をひそめた。
「妃様、ここまで来られたのなら……。
陛下の御前に戻るより、安全かもしれません」

 逃亡を勧めるミアルに、シャオレイは驚いた。だが、ゆっくりと首を振った。

 ふたりはしばらく抱き合い、静かに離れた。

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