小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第6話 偽りの死(3/3)
◆
その後、刺客の遺体は刑部《けいぶ※》が調べた。その切り傷が、華宵宮《かしょうきゅう》の衛兵の刀のものと一致した。 [※司法と刑罰をつかさどる部署]
遺体は、メイレンを襲った刺客と断定された。
◆
刺客の遺体は、見せしめとして城壁に吊るされることとなった。
兵たちが夕陽に染まりながら、作業をしている。
その中に、フェイリンが紛れていた。彼は死んでなどいなかったのだ。
兵に扮し、他の兵と一緒にかけ声をあげながら、遺体をつないでいる縄を引く。
この遺体を運んでいたのも、フェイリンだ。
刺客の遺体が発見されれば、メイレンもやってくると企んだのだ。彼は、メイレン暗殺を諦めてはいなかった。
だが――メイレンの使用人たちには、隙がなかった。
メイレンへ刃を向けた瞬間、フェイリン自身が返り討ちにあうのは明白だった。だから、断念した。
(俺は無駄死にする気はない……)
縄を引くフェイリンの手に、無意識に力がこもる。
滑車がきしみ、遺体が城壁へと吊るされていった。
作業が終わり、兵たちは解散した。
フェイリンも、その場を離れる。
ふと、彼の頭に昼間のシャオレイの姿が浮かんだ。
野次馬を押しのけて、必死に駆け寄ってくる姿。
顔面蒼白で、今にも泣きそうな顔をしていた姿。
さらに、へたり込んだ姿がフェイリンの心をくすぐった。
(妖女め……俺が死んだと思って、そんなに取り乱したのか?)
フェイリンの唇の端がかすかに上がった瞬間――
(なぜ俺に気づかなかった……?)
唇が、いつの間にかすっと引き結ばれていた。
(目の前にいたんだぞ?あの額の小鳥が騒ぎそうなものだが。
まさかあの女……鈍いのか?
メイレンの命《いのち》を狙っているくせに?
いやそんなはずはない……だってあいつは妖女だ)
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その後、刺客の遺体は刑部《けいぶ※》が調べた。その切り傷が、華宵宮《かしょうきゅう》の衛兵の刀のものと一致した。 [※司法と刑罰をつかさどる部署]
遺体は、メイレンを襲った刺客と断定された。
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刺客の遺体は、見せしめとして城壁に吊るされることとなった。
兵たちが夕陽に染まりながら、作業をしている。
その中に、フェイリンが紛れていた。彼は死んでなどいなかったのだ。
兵に扮し、他の兵と一緒にかけ声をあげながら、遺体をつないでいる縄を引く。
この遺体を運んでいたのも、フェイリンだ。
刺客の遺体が発見されれば、メイレンもやってくると企んだのだ。彼は、メイレン暗殺を諦めてはいなかった。
だが――メイレンの使用人たちには、隙がなかった。
メイレンへ刃を向けた瞬間、フェイリン自身が返り討ちにあうのは明白だった。だから、断念した。
(俺は無駄死にする気はない……)
縄を引くフェイリンの手に、無意識に力がこもる。
滑車がきしみ、遺体が城壁へと吊るされていった。
作業が終わり、兵たちは解散した。
フェイリンも、その場を離れる。
ふと、彼の頭に昼間のシャオレイの姿が浮かんだ。
野次馬を押しのけて、必死に駆け寄ってくる姿。
顔面蒼白で、今にも泣きそうな顔をしていた姿。
さらに、へたり込んだ姿がフェイリンの心をくすぐった。
(妖女め……俺が死んだと思って、そんなに取り乱したのか?)
フェイリンの唇の端がかすかに上がった瞬間――
(なぜ俺に気づかなかった……?)
唇が、いつの間にかすっと引き結ばれていた。
(目の前にいたんだぞ?あの額の小鳥が騒ぎそうなものだが。
まさかあの女……鈍いのか?
メイレンの命《いのち》を狙っているくせに?
いやそんなはずはない……だってあいつは妖女だ)