小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第8話 攻防戦の始まり(2/5)


「……メイレンに関する予言を教えてもらおう」


 フェイリンの頼みで、シャオレイは前世で見たメイレンの動向を歌った。

 およそ半年分の”予言”を、フェイリンはなんなく覚えていった。それから、彼はシャオレイに問うた。
「――そなたは、なぜラン・メイレンを狙う?」

 一瞬、シャオレイの目が揺れた。彼女はわずかにためらい――正直に答えなかった。
「自分のためですわ。皇后に私が殺される予言を、天から授かったのです。降りかかる火の粉は、払わなくては」

「ふん……皇帝のためだろう?」

「それもございます。私は、陛下の寵姫でありますがゆえ……」

「それなら、なぜおとなしく皇帝に守ってもらわない?ただの寵姫のくせに――」

 その瞬間、シャオレイの表情は豹変した。
「そんなことしてたらゼフォンが殺されるわ!」

 シャオレイに言葉をぶつけられた瞬間、フェイリンは息をのんだ。

 シャオレイはハッと我に返った。
「あ……」
 彼女は一瞬気まずそうにしたが、フェイリンから手を離してすぐに笑みを浮かべて言った。
「失礼いたしました。……あなた様の理由をお伺いしても?」

 フェイリンは、青楼の女など仮面の塊だと思っていた。だが、目の前の女――シャオレイは、むき出しの心をあらわにした。
 仮面をかぶり直したシャオレイに、フェイリンはなんとなく喪失感を覚え、目をそらした。
 フェイリンの指は無意識に、刀の柄をコツコツと叩いていた。何をしているのか、フェイリン自身にもわからなかった。
 ただ、胸の奥が妙に沸き立っていた。

「……おっしゃりたくなければ構いませんわ。
でも、これだけは知っていてくださいませ。
私はフェイリン様の味方でありたいのです。
――そして、フェイリン様を私の味方だと思っております」

「……なぜ、そんな無防備に俺を信用できる?」

「あなた様に賭けたのです。私の命運――いえ、すべてを」

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