小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第8話 攻防戦の始まり(4/5)


 シャオレイは、あきれた目をしているフェイリンへ、改めて歌詞を差し出した。すると、彼は一枚一枚、真剣に歌詞を見始めた。

(あら、意外とちゃんと見てくれるのね……。ゼフォンとは大違い)
 シャオレイは、フェイリンにまったく期待していなかった。なぜなら、フェイリンが詩や音楽に興味を示すなんて、シャオレイには想像できなかったからだ。
 フェイリンにシャオレイ自身の中身を見てもらえているようで、彼女はほのかに嬉しくなった。

 だが次の瞬間、フェイリンが放った一言で空気が一変した。
「凡庸《ぼんよう》だな」

 シャオレイはキッとにらみつけてから、すぐに媚びてやった。
「では……フェイリン様の非凡なる作詞の腕を、ぜひお見せしてくださいませ」

 シャオレイが卓を指すが、フェイリンはわずかに眉を上げたまま動かない。

 シャオレイは作り笑いをしたままフェイリンに腕を絡ませ、彼を長椅子へ引っ張り、座らせた。それから、フェイリンの手に筆を握らせた。

 強引すぎるシャオレイの仕草に、フェイリンがわずかに眉をひそめる。

 シャオレイに「さあ、どうぞ」と促され、フェイリンは軽く息をついた。
(俺に媚びるなと言われたとたん、雑にするとは……極端な女だ。
――仕方ない、手を貸してやるか)
 フェイリンは目を伏せて、しばらく考え込んだ。

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