小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第12話 計略は毒の香り(3/6)
◆
シャオレイは瑶吟堂《ようぎんどう》の琴房《きんぼう》にこもり、弾き語りをしていた。その合間に、楽譜に宮廷楽師用の細かい指示を書き込む。
それから、息をついた。
(フェイリン……今頃どうしているかしら?
きっと、七夕の宴でメイレンを暗殺するために、準備をしているんだわ……)
フェイリンはどこかへ行ったきり、シャオレイの前へ姿を見せなかった。
そのとき、扉が静かに開いた。
シャオレイは一瞬、フェイリンかと思ったが、顔を出したのはミアルだった。
「シュエン妃の侍女が来ました」
「シュエン妃の……?」
シャオレイはいぶかしげな顔をしたものの、「通して」と言った。
やってきたシュエン妃の侍女は、盆を持っていた。
「カナリア姫様、シュエン妃様から差し入れでございます。
喉をいたわる薬湯です」
「……薬湯?」
シャオレイはにこやかにほほ笑んだが、一抹の不安がよぎっていた。
シュエン妃――メイレンの幼なじみでもある妃。そんなシュエン妃がわざわざ薬湯を送ることに、シャオレイは疑いを抱かずにはいられなかった。
シャオレイは、薬湯の色や匂いに注意を払っていた。
ミアルは、シュエン妃の侍女から薬湯の盆を受け取ると、シャオレイをちらと見た。ミアルも同じように疑っていた。
シャオレイが目で合図すると、ミアルは薬湯をひっくり返した。
「も……申し訳ございません、姫様!」
ひざまずくミアルに、シャオレイは怒ったふりをして、平手打ちをしようとする。
「なんてことを……!シュエン妃様のお心遣いを無駄にするなんて!」
シュエン妃の侍女は、慌ててシャオレイを止めた。
「姫様……お怒りをお鎮めください」
「でも、あなたが怒られてしまうわ」
「お気遣いありがとうございます」
シュエン妃の侍女は、そそくさとその場を去った。
シャオレイは、床に広がった茶碗の破片を見つめていた。
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シャオレイは瑶吟堂《ようぎんどう》の琴房《きんぼう》にこもり、弾き語りをしていた。その合間に、楽譜に宮廷楽師用の細かい指示を書き込む。
それから、息をついた。
(フェイリン……今頃どうしているかしら?
きっと、七夕の宴でメイレンを暗殺するために、準備をしているんだわ……)
フェイリンはどこかへ行ったきり、シャオレイの前へ姿を見せなかった。
そのとき、扉が静かに開いた。
シャオレイは一瞬、フェイリンかと思ったが、顔を出したのはミアルだった。
「シュエン妃の侍女が来ました」
「シュエン妃の……?」
シャオレイはいぶかしげな顔をしたものの、「通して」と言った。
やってきたシュエン妃の侍女は、盆を持っていた。
「カナリア姫様、シュエン妃様から差し入れでございます。
喉をいたわる薬湯です」
「……薬湯?」
シャオレイはにこやかにほほ笑んだが、一抹の不安がよぎっていた。
シュエン妃――メイレンの幼なじみでもある妃。そんなシュエン妃がわざわざ薬湯を送ることに、シャオレイは疑いを抱かずにはいられなかった。
シャオレイは、薬湯の色や匂いに注意を払っていた。
ミアルは、シュエン妃の侍女から薬湯の盆を受け取ると、シャオレイをちらと見た。ミアルも同じように疑っていた。
シャオレイが目で合図すると、ミアルは薬湯をひっくり返した。
「も……申し訳ございません、姫様!」
ひざまずくミアルに、シャオレイは怒ったふりをして、平手打ちをしようとする。
「なんてことを……!シュエン妃様のお心遣いを無駄にするなんて!」
シュエン妃の侍女は、慌ててシャオレイを止めた。
「姫様……お怒りをお鎮めください」
「でも、あなたが怒られてしまうわ」
「お気遣いありがとうございます」
シュエン妃の侍女は、そそくさとその場を去った。
シャオレイは、床に広がった茶碗の破片を見つめていた。