小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―

第13話 羽の休まる場所

第13話 羽の休まる場所(1/6)


 瑶吟堂《ようぎんどう》に、静かな夜が訪れていた。

 帳《とばり》の中で、シャオレイはゼフォンに抱かれていた。甘くしびれるような感覚が全身に広がっていった。
 だが、シャオレイの心には、熱が届かない。
(――たかが軽い毒を盛られたで動揺しすぎだわ……。
殺されなかっただけ、マシよ)

 そんな心をゼフォンに悟られないよう、シャオレイは必死に演じていた。瞳を潤ませ、息を乱し、体をかすかに震わて波打たせる。
「あ……っ」
 わずかな動きでも、ゼフォンにその変化を感じ取られたくなかった。

 ゼフォンの優しい腕に包まれているのに、シャオレイにはどうしても不安がこみ上げてくる。
(ゼフォンに打ち明けたいけど、それはだめ。
毒の件は皇后が収めたから、今さら蒸し返しても意味は無い。
何より、皇后に目を付けられるわ。
そうしたら今後の動きが取りにくくなる。
ゼフォンを守るための嘘が、暴かれてしまうかもしれない。
――だから私は、ゼフォンの前でほほ笑んでさえずっているしかないの)

 ふと、シャオレイにフェイリンの顔が思い浮かぶ。
(あの人も、こういうふうに心が冷えて――いえ、凍ってしまったのかしら……)
 今は無性に、フェイリンの冷たい目が恋しかった。

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