小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―

第14話 皇后の影

第14話 皇后の影(1/5)


 七夕の宴――詩作、書道、刺繍の腕を競うこの日は、宮廷にとって一大行事だ。
 夕刻の宮廷の宴会場には、文化人や貴族たちが集まっていた。

 宴の始まりを盛り上げるため、シャオレイは宴会場の中央へと現れた。
 青と白の衣をまとい、金糸で刺繍された桃の花が揺れる。長いつややかな髪は結い上げられて玉飾りで整えられ、まるで仙女のようなたたずまいだ。

 宮廷楽師たちが旋律を奏でる。

 それに合わせ、シャオレイは静かに舞い始めた。そのしなやかで優雅な舞は、清らかさもただよわせていた。
 袖をひるがえすたびに、かすみのように広がっていく。
 シャオレイから美声がこぼれ始めると、観客たちは一気に魅入られた。

「……遠きふるさと 風は止み……
……しるべ無き 雲の下……
……夢にさえ 道はなく……」

(フェイリン……どこかで聞いてくれてる……?
あなたが手伝ってくれた歌よ)

「……ふるさとの月は 君を照らし……
……遠き契《ちぎ》り 胸に秘め……
……還る場所こそ わが命《いのち》……」

(この歌詞をあなたは”余計だ”と言ったけれど、私は愛を歌いたいの)

 シャオレイはゼフォンと目が合うと、笑みを深めた。

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