小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―

第19話 溺愛の裏の疑い

第19話 溺愛の裏の疑い(1/5)


 ゼフォンは、紫微殿《しびでん》の執務室の中を歩き回っていた。
「カナリアの消息は、まだつかめないのか?」

「申し訳ございません、陛下。まだ……」

 チャオ内侍の報告に、ゼフォンは険しい表情で息をつく。

 シャオレイが刺客に誘拐されてから、1週間近くが経とうとしていた。
 七夕の宴の夜、ゼフォンの密偵がシャオレイたちを尾行していた。だが、シャオレイたちが馬車を捨てて南へ向かったあと、密偵たちは見失っていた。
 シャオレイを誘拐した刺客が使ったものと思しき、乗り捨てた馬車が郊外で見つかっていた。
 そこには、有力な手がかりは何も残されていなかった。

(まさかカナリアはもう……)
 ゼフォンが最悪の想像をしたそのとき、伝令兵が駆け込んできた。

「急報です!カナリア姫様がご帰還なされました!」

 ゼフォンは動きを一瞬止めるが、すぐに弾かれたように執務室を飛び出した。

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