小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第19話 溺愛の裏の疑い(2/5)
◆
宮廷の正門が開かれ、兵に護衛されながら馬車がゆっくりと入ってきた。
止まった馬車のそばに階段が置かれ、帳《とばり》を兵が開けると、シャオレイが出てきた。
シャオレイは、助けを求めた村でもらった衣を身に着けている。地味な装いだったが、彼女の美しさは隠せなかった。
シャオレイが下車して顔を上げた瞬間、夕陽に染められながらやってくるゼフォンの姿が目に入った。
7月のそよ風が、ゼフォンの髪をかすかに揺らしている。ゼフォンの瞳が、まっすぐシャオレイを射抜いた途端、彼女の肌が一気に粟立った。
「カナリア!」
名を呼ばれたシャオレイは涙をにじませながら、ゼフォンの元へ駆け出した。
ゼフォンの手がシャオレイに伸びる。
次の瞬間、ゼフォンは誰の目も気にすることなく、シャオレイの身体を引き寄せ、しっかりと抱きしめた。それから、ゼフォンの唇が、シャオレイの耳もとに近づく。
「……戻ってきたな。可愛い、我が小鳥よ」
ゼフォンの声はシャオレイの鼓膜をなぞり、砂糖菓子のように甘くとろけた。
ゼフォンと会えなかった間に眠っていた“女”の部分が、一気に潤う。
(ああ、これだわ……私が欲しかったもの)
ゼフォンの腕が、シャオレイの膝裏をすくって抱き上げた。
シャオレイは驚いたが、抗わなかった。“ゼフォンの女”として扱われる感覚に、胸が震えた。
周りには兵も使用人たちもいる。彼らはうつむいているが、皇帝の動向をさり気なく伺っている。
だが、シャオレイもゼフォンも、構わなかった。
ゼフォンはシャオレイを抱きかかえたまま、一目散に紫微殿《しびでん》へ向かった。
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宮廷の正門が開かれ、兵に護衛されながら馬車がゆっくりと入ってきた。
止まった馬車のそばに階段が置かれ、帳《とばり》を兵が開けると、シャオレイが出てきた。
シャオレイは、助けを求めた村でもらった衣を身に着けている。地味な装いだったが、彼女の美しさは隠せなかった。
シャオレイが下車して顔を上げた瞬間、夕陽に染められながらやってくるゼフォンの姿が目に入った。
7月のそよ風が、ゼフォンの髪をかすかに揺らしている。ゼフォンの瞳が、まっすぐシャオレイを射抜いた途端、彼女の肌が一気に粟立った。
「カナリア!」
名を呼ばれたシャオレイは涙をにじませながら、ゼフォンの元へ駆け出した。
ゼフォンの手がシャオレイに伸びる。
次の瞬間、ゼフォンは誰の目も気にすることなく、シャオレイの身体を引き寄せ、しっかりと抱きしめた。それから、ゼフォンの唇が、シャオレイの耳もとに近づく。
「……戻ってきたな。可愛い、我が小鳥よ」
ゼフォンの声はシャオレイの鼓膜をなぞり、砂糖菓子のように甘くとろけた。
ゼフォンと会えなかった間に眠っていた“女”の部分が、一気に潤う。
(ああ、これだわ……私が欲しかったもの)
ゼフォンの腕が、シャオレイの膝裏をすくって抱き上げた。
シャオレイは驚いたが、抗わなかった。“ゼフォンの女”として扱われる感覚に、胸が震えた。
周りには兵も使用人たちもいる。彼らはうつむいているが、皇帝の動向をさり気なく伺っている。
だが、シャオレイもゼフォンも、構わなかった。
ゼフォンはシャオレイを抱きかかえたまま、一目散に紫微殿《しびでん》へ向かった。