忘れられなかった初恋が、40歳で叶ってしまった
「ただいまー」
祐太郎は玄関のスイッチを付け、靴が散乱した玄関の隅っこに自分の靴を並べた。
リビングに入ると子供たちが遊んだおもちゃ、夕食後の食器、脱ぎっぱなしの全員分の服が床に散りばめられている。
どうやら皆で風呂に入っているようだ。
浴室からは大はしゃぎする子供達の声と、それをうるさいと叱る妻の声が聞こえてきた。
祐太郎は散らばった洋服を回収しては浴室の洗濯かごへ放り込んだ。
「あ、パパ!お帰り!!」
「ただいま。俺の飯残ってるかな?」
「パパごめん!全部食べちゃいました!!」
綾香が理玖の頭を思い切りひっぱたいた。
「バカ!あんたはしょーもない嘘ばっかついて!パパの分残ってるに決まってるでしょ!カレー鍋にあるからあっためて食べて!」
「へーい」
祐太郎はまずは入る分だけ手際よく食洗機へ食器を詰め込むと、洗浄スタートボタンを押した。
カレーを温めようとしたところ、子供達が素っ裸のままリビングで警察ごっこを始め出した。
「お前ら風邪引くからまずは服着ろよ!」
祐太郎が言っても子供達の耳には全く入っていないようだ。
その後末っ子を抱っこしながら出てきた母親からゲンコツをくらい、ようやく服を着出した。
祐太郎が夕食にありつけたのは、結局子供達が寝静まった10時過ぎだ。
カレーを温め直しビールの蓋をあけると、綾香がリビングに入ってきた。
「パパが居ない間ほんっと大変だったよ。出張減らせないの?」
綾香もビールをあけ、祐太郎のビール缶にコツンと打ちつけた。
「今は無理そうかな。ほんと1人であいつら、3人もみるの大変だと思う。おつかれ。感謝してるよ。」
「おつかれじゃなくってさぁ、具体的な解決策を出して欲しいんだよね!俺が早く帰って協力します!みたいなさ?」
「そんな急に言われてもなぁ…」
小学生の頃密かに思いを寄せていた絵奈と偶然再会した祐太郎は、2回目の地元での再会を偶然とは思えず、絵奈に対してなりふり構わず思いを伝えた。
絵奈も既婚者としての立場を気にしてるようだったが、自分の事を好きでいてくれるのが分かると、さらに絵奈への気持ちを抑える事ができなかった。
ただ、いざ自分の家庭へ戻ると我ながら自分自身の身勝手さに呆れてしまう。
多少粗雑ではあるが、幼子3人を育てながら祐太郎の帰りを待っていてくれる綾香。
やんちゃ盛りで生意気ではあるが、大切な子供達。昨年産まれたばかりの娘も居る。
絵奈にだって家庭がある。
賢そうな娘が居て、多分旦那さんも真面目な人なのだろうと感じた。
今ならまだ引き返せるのか…?
今日、絵奈の頬と手と髪に触れ、もっと絵奈を抱きしめて、絵奈の体温を感じたくなった。
優しく髪を撫でられて、もっと優しく見つめて抱きしめてほしいと思った。
「ねぇ、聞いてるの?」
綾香が苛立ちながら祐太郎を睨んでいる。
「あ、ごめん。なんか仕事で疲れてボーっとしてた」
「もう!来週、理玖の学芸会!その後うちの実家で、お父さんの誕生会するって話だけど良いかな?」
「お義父さん誕生日か!もちろん大丈夫だよ」
「毎年やってるのに忘れないでよね!じゃあみんなに連絡しとくね」
…正直、憂鬱だ。
綾香の実家は自営業を営んでおり、もちろん義父は社長だ。集まる度に会社役員になるよう説得されるが、俺は今の仕事が好きだし辞める気はないのだ。
祐太郎は玄関のスイッチを付け、靴が散乱した玄関の隅っこに自分の靴を並べた。
リビングに入ると子供たちが遊んだおもちゃ、夕食後の食器、脱ぎっぱなしの全員分の服が床に散りばめられている。
どうやら皆で風呂に入っているようだ。
浴室からは大はしゃぎする子供達の声と、それをうるさいと叱る妻の声が聞こえてきた。
祐太郎は散らばった洋服を回収しては浴室の洗濯かごへ放り込んだ。
「あ、パパ!お帰り!!」
「ただいま。俺の飯残ってるかな?」
「パパごめん!全部食べちゃいました!!」
綾香が理玖の頭を思い切りひっぱたいた。
「バカ!あんたはしょーもない嘘ばっかついて!パパの分残ってるに決まってるでしょ!カレー鍋にあるからあっためて食べて!」
「へーい」
祐太郎はまずは入る分だけ手際よく食洗機へ食器を詰め込むと、洗浄スタートボタンを押した。
カレーを温めようとしたところ、子供達が素っ裸のままリビングで警察ごっこを始め出した。
「お前ら風邪引くからまずは服着ろよ!」
祐太郎が言っても子供達の耳には全く入っていないようだ。
その後末っ子を抱っこしながら出てきた母親からゲンコツをくらい、ようやく服を着出した。
祐太郎が夕食にありつけたのは、結局子供達が寝静まった10時過ぎだ。
カレーを温め直しビールの蓋をあけると、綾香がリビングに入ってきた。
「パパが居ない間ほんっと大変だったよ。出張減らせないの?」
綾香もビールをあけ、祐太郎のビール缶にコツンと打ちつけた。
「今は無理そうかな。ほんと1人であいつら、3人もみるの大変だと思う。おつかれ。感謝してるよ。」
「おつかれじゃなくってさぁ、具体的な解決策を出して欲しいんだよね!俺が早く帰って協力します!みたいなさ?」
「そんな急に言われてもなぁ…」
小学生の頃密かに思いを寄せていた絵奈と偶然再会した祐太郎は、2回目の地元での再会を偶然とは思えず、絵奈に対してなりふり構わず思いを伝えた。
絵奈も既婚者としての立場を気にしてるようだったが、自分の事を好きでいてくれるのが分かると、さらに絵奈への気持ちを抑える事ができなかった。
ただ、いざ自分の家庭へ戻ると我ながら自分自身の身勝手さに呆れてしまう。
多少粗雑ではあるが、幼子3人を育てながら祐太郎の帰りを待っていてくれる綾香。
やんちゃ盛りで生意気ではあるが、大切な子供達。昨年産まれたばかりの娘も居る。
絵奈にだって家庭がある。
賢そうな娘が居て、多分旦那さんも真面目な人なのだろうと感じた。
今ならまだ引き返せるのか…?
今日、絵奈の頬と手と髪に触れ、もっと絵奈を抱きしめて、絵奈の体温を感じたくなった。
優しく髪を撫でられて、もっと優しく見つめて抱きしめてほしいと思った。
「ねぇ、聞いてるの?」
綾香が苛立ちながら祐太郎を睨んでいる。
「あ、ごめん。なんか仕事で疲れてボーっとしてた」
「もう!来週、理玖の学芸会!その後うちの実家で、お父さんの誕生会するって話だけど良いかな?」
「お義父さん誕生日か!もちろん大丈夫だよ」
「毎年やってるのに忘れないでよね!じゃあみんなに連絡しとくね」
…正直、憂鬱だ。
綾香の実家は自営業を営んでおり、もちろん義父は社長だ。集まる度に会社役員になるよう説得されるが、俺は今の仕事が好きだし辞める気はないのだ。