赤く染まった顔、見せたら最後。
「脈はちょっとだけ早くなってる」

「ふざけないでください。先ほどまでの私の脈拍を知らないでしょう」

「でも、今が速いことは確かだ」

「元からです」

「ふはっ、強がりだなぁ」

修矢さんはこの状況で何故か楽しそうに笑っている。

今までそんな笑顔を見せてくれたことはなかったのに。

初めから作られたような微笑みじゃなくそんな笑顔を見せてくれていたら……なんて考えが浮かんでしまう。

「にしてもあと二十五分か。案外、すぐに三十分も終わってしまいそうだな」

修矢さんが壁にかけられた時計を見ながら、そんなことを呟いている。
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