ハイスペ御曹司で年下幼馴染の山田一郎が誘ってくる送迎を断ったら、とんでもない目に遭った件
ドキドキ
「なんだよ、何か言おうとしただろ」
耳馴染んだ大人の一郎の声で、私は我に返った。
「え、えっと……」
あの事件の話をするわけにはいかないと、他の話題をひねり出そうとあわてて視線を泳がせる。
するとバックミラーに映る白い後続車が目に入った。
――あれ、あの車、さっき近所に停まってた車に似てない?
事件を思い出したせいかそう思ってしまったら気になって、鈴木さんに声をかけた。
「鈴木さん、あの車、ずっとうしろにいません?」
「えっ……いえいえ、あれはさっき交差点で左折してきた車ですよ」
と鈴木さんはバックミラーの中で私と一郎を交互にチラチラ見ながら答える。
そうか、なら安心。
なんかあの事件を思い出したから疑心暗鬼になってドキドキしちゃった。
そのとき、急にぐいと車が右折した。いつもはまだ直進するはずなのに。
その勢いで、私は一郎の肩にコツンとぶつかってしまった。
一郎の顔、ち、近い……!
今度は別の意味でドキドキして、嬉しくなってる自分を自覚してしまった。
……もう私ったらダメだってば!
私は安心安全の、弟を見守る「姉貴枠」なんだからね!
耳馴染んだ大人の一郎の声で、私は我に返った。
「え、えっと……」
あの事件の話をするわけにはいかないと、他の話題をひねり出そうとあわてて視線を泳がせる。
するとバックミラーに映る白い後続車が目に入った。
――あれ、あの車、さっき近所に停まってた車に似てない?
事件を思い出したせいかそう思ってしまったら気になって、鈴木さんに声をかけた。
「鈴木さん、あの車、ずっとうしろにいません?」
「えっ……いえいえ、あれはさっき交差点で左折してきた車ですよ」
と鈴木さんはバックミラーの中で私と一郎を交互にチラチラ見ながら答える。
そうか、なら安心。
なんかあの事件を思い出したから疑心暗鬼になってドキドキしちゃった。
そのとき、急にぐいと車が右折した。いつもはまだ直進するはずなのに。
その勢いで、私は一郎の肩にコツンとぶつかってしまった。
一郎の顔、ち、近い……!
今度は別の意味でドキドキして、嬉しくなってる自分を自覚してしまった。
……もう私ったらダメだってば!
私は安心安全の、弟を見守る「姉貴枠」なんだからね!