ハイスペ御曹司で年下幼馴染の山田一郎が誘ってくる送迎を断ったら、とんでもない目に遭った件
一郎!
ショッキングな出来事に私は頭の中が真っ白になった。
目の前にいた一郎がごろりと道路に転がり、腹部からはどくどくと血液が流れだす。
だが転がったのは一郎だけでなく、男も一緒だった。一郎が男を抑え込むように倒れたのだ。
男も後頭部を打ったのか動かない。
一郎が、一郎が…………‼
想像を絶する出来事に眩暈がして気を失いそうだった。
が、一郎から流れ出て道路にひろがっていく血が私の意識を引きとめた。
救急車! 救急車呼ばなくちゃ……!
でも、手が大きくガタガタと震えてスマホを取り落としそうだった。
私は自分を叱咤して奮い立たせた。
「しっかりしなくちゃ! 誰よりもずっと大切に思ってきた一郎を、こんなことで、こんなことで…… 失うわけにはいかないよ……!」
私は両手でスマホを握りなおした。それでも手は自分の物ではないぐらい震えている。
――と、私の手を誰かが優しく包んだ。
そして背後から抱きしめられる。
不思議と怖い感覚は全くなかった。だってこれは――
「茉莉、落ち着け! 俺は無事だ」
この手、この声、この匂い。
……私、よく知ってる。
でも……⁉
目の前にいた一郎がごろりと道路に転がり、腹部からはどくどくと血液が流れだす。
だが転がったのは一郎だけでなく、男も一緒だった。一郎が男を抑え込むように倒れたのだ。
男も後頭部を打ったのか動かない。
一郎が、一郎が…………‼
想像を絶する出来事に眩暈がして気を失いそうだった。
が、一郎から流れ出て道路にひろがっていく血が私の意識を引きとめた。
救急車! 救急車呼ばなくちゃ……!
でも、手が大きくガタガタと震えてスマホを取り落としそうだった。
私は自分を叱咤して奮い立たせた。
「しっかりしなくちゃ! 誰よりもずっと大切に思ってきた一郎を、こんなことで、こんなことで…… 失うわけにはいかないよ……!」
私は両手でスマホを握りなおした。それでも手は自分の物ではないぐらい震えている。
――と、私の手を誰かが優しく包んだ。
そして背後から抱きしめられる。
不思議と怖い感覚は全くなかった。だってこれは――
「茉莉、落ち着け! 俺は無事だ」
この手、この声、この匂い。
……私、よく知ってる。
でも……⁉