ハイスペ御曹司で年下幼馴染の山田一郎が誘ってくる送迎を断ったら、とんでもない目に遭った件

真相 (前)

「一郎、これはどういう……?」

「YAMADAの超トップシークレットだぞ。この試作機三号は、俺の替え玉の人間ロボット(ヒューマノイド)だよ」

「替え玉? ヒューマノイド⁉」


ぽかんとするしかない。 


要人(VIP)向け暴漢対策用の替え玉ロボットだ。()()()()()()から着想して開発したんだ。良くできてるだろ?」


実証実験中、最終段階と言ってた……一郎のプロジェクトって()()を開発していたってこと⁉


「本物の一郎だと思ってた……」

「AIモードも可能だけど、さっきはインカムで俺がしゃべってたしな。全然気がつかなかったろ? 茉莉に見抜かれなかったから、合格点だな。それと驚かせてごめんな。茉莉を守るように命令は出してたが、試作機3号自身を守れと設定してなかった。これ今後の検討事項だな」


本物の一郎はそう説明すると、眼鏡一郎(ヒューマノイド)にテキパキと命じた。


「もうすぐ警察が来る。それまでに(こいつ)を捕縛しておけ。試作機三号は修理するから鈴木の車で研究所へ向かえ」

「かしこまりました。ご主人様は?」

「コイツを警察に引き渡したあと、俺は運転してきた車で移動するから問題ない」


一郎の視線を追いかけると、さっき私が気にしていた白い車がすぐそこに駐車されていた。


あの白い車、 そういうことだったんだ……!


真相がわかって、車から一郎に視線を戻そうとしたときだった。
私の視界の端で何かが動いた。

道路で伸びていたあの男が、意識を取り戻して体を起こしたのだ……!
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