契約外の初夜で、女嫌い弁護士は独占愛を解き放つ~ママになっても愛し尽くされています~
「そういうこと、不用意に言うな」
「あっ……ごめんなさ——」


 怒らせたと思った私は、咄嗟に謝ったけれど……。

「っ……」

 最後まで言い切る前に腰を抱き寄せられ、唇で唇を塞がれて強く押し当てられた。


 感情をぶつけるようなキスなのに、胸の奥が高鳴ってしまう。
 数秒して唇が離れると、侑李さんが熱のこもった目で私を見てきた。


「俺が那湖の前でどれだけ理性を保とうとしてると思ってる? そんな風に言われたら、このまま……」


 真っ直ぐな視線が痛いのに、女性として見てもらえていることが嬉しくて……。あの夜の熱と甘さが、ふつふつと蘇ってくる。
 言葉にする勇気はないけれど、本能に背中を押されるがまま彼を見つめ返した。
 刹那、侑李さんが眉間に皺を寄せ、言葉もなく私を抱きかかえた。


「きゃっ……」


 立ち上がった彼は、すぐさまベッドルームに移動し、ベッドの上に私を下ろす。
 侑李さんもベッドに乗ると、私のヒールを性急に脱がせて適当に放り投げ、自身の革靴も煩わしそうに脱ぎ捨てた。
 そのまま覆い被さってきた彼に誘われるように、体が倒れていく。
 気づいた時には私の体はベッドに寝かされ、侑李さんが身を重ねてきた。

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