契約外の初夜で、女嫌い弁護士は独占愛を解き放つ~ママになっても愛し尽くされています~
 当初、侑李さんは今まで通りにするつもりだったようだけれど、同居しているのにそれはもったいない。
 体調が悪い時は無理でも、普段の家事なら私ができる。
 もともと家事は好きだし、彼と住む家を整えると思えば苦じゃない。


 料理なんて、侑李さんのためだと思うと色々作りたくなっているくらい。
 だから、さっちゃんには悪いけれど彼に家政婦を雇わないように進言したのだ。


 侑李さんは、最初こそ私の体調を心配して『これまで通りでいい』と答えた。
 反して、私はどうしても必要だとは思えなくて、思い切って『だったらそのお金でおいしいもので食べませんか』と言ってみた。
 図々しい気もしたけれど、それなら彼も納得してくれるかも……と思って。


 話し合いは難航したものの、最終的には侑李さんが折れてくれたというわけだ。
 ただし、『那湖の体調が悪化した時や産後は少しでも休めるように家事を外注する』という条件つきだけれど。
 とにもかくにも、慌ただしい中でも平穏に過ごせていた。

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