契約外の初夜で、女嫌い弁護士は独占愛を解き放つ~ママになっても愛し尽くされています~
私が入社する前年に結婚したふたりは、お似合いの夫婦だと思っていた。
中郷課長と最初に話したのも、紘奈先輩にランチに誘われた時。
偶然同じ店に来ていた課長とも一緒に食べることになったのが、きっかけだった。
それから二年が経ち、私は営業部に配属され、中郷課長が上司となった。
ただ、しばらくすると課長から声をかけられることが増え、なぜかふたりきりになる機会も重なった。
今にして思えば、中郷課長がそう仕向けていたんだろう。
それに気づいたのは、社内で課長と私の不倫疑惑が持ち上がったあとだった。
同じ会社にいる紘奈先輩の耳に話が入らないはずがなく、私が中郷課長に言い寄ったという嘘まで広まったせいか、彼女に避けられるようになった。
紘奈先輩に事情を話そうと思わなかったわけじゃない。
けれど、信じてもらえるかわからない上、夫が部下の私に迫っていたなんて知ったら傷つくだろうと思うと、どうすればいいのかわからなかった。
そんな風に悩んでいるうちに事態は悪化していき、私は退職に追い込まれたのだ。
最後に紘奈さんに会った時、悲しそうに目を逸らした彼女を見て、結局は傷つけてしまったことに気づいた。
私を責めるでもなく泣きそうな顔をしていた紘奈さんの顔は、今も忘れられない。
いっそのこと、責められた方がよかったのかもしれない……と思ったくらいには彼女を傷つけたことがショックだったから。
中郷課長と最初に話したのも、紘奈先輩にランチに誘われた時。
偶然同じ店に来ていた課長とも一緒に食べることになったのが、きっかけだった。
それから二年が経ち、私は営業部に配属され、中郷課長が上司となった。
ただ、しばらくすると課長から声をかけられることが増え、なぜかふたりきりになる機会も重なった。
今にして思えば、中郷課長がそう仕向けていたんだろう。
それに気づいたのは、社内で課長と私の不倫疑惑が持ち上がったあとだった。
同じ会社にいる紘奈先輩の耳に話が入らないはずがなく、私が中郷課長に言い寄ったという嘘まで広まったせいか、彼女に避けられるようになった。
紘奈先輩に事情を話そうと思わなかったわけじゃない。
けれど、信じてもらえるかわからない上、夫が部下の私に迫っていたなんて知ったら傷つくだろうと思うと、どうすればいいのかわからなかった。
そんな風に悩んでいるうちに事態は悪化していき、私は退職に追い込まれたのだ。
最後に紘奈さんに会った時、悲しそうに目を逸らした彼女を見て、結局は傷つけてしまったことに気づいた。
私を責めるでもなく泣きそうな顔をしていた紘奈さんの顔は、今も忘れられない。
いっそのこと、責められた方がよかったのかもしれない……と思ったくらいには彼女を傷つけたことがショックだったから。