私をフッた元上司と再会したら求愛された件
「この後は会社に戻る?」
ミーティングが終わって、帰る準備をしていたら戸川さんにそう聞かれた。
「はい。他の予定はないのでそうするつもりです」
「俺もこの後、園崎の会社の近くで商談があるから送ってくよ」
驚く私の頭の中で、先日言われた戸川さんの言葉がリフレインする。今度は送らせてってそういうこと? いやいや、でもこれは仕事の延長線上だし……。
私がひとりでアワアワしている間に戸川さんも荷物をまとめてしまって、私たちはふたりでシェアオフィスを出た。
戸川さんと並んで歩くのは、フラれたあの時以来。思い出して胸が苦しくなる。でも、それも束の間。見上げた戸川さんが優しい目をして私を見ていたものだから、ひっ、と変な声が出そうになった。
ソワソワと落ち着かないまま、電車に乗り、私の会社の最寄駅で降りる。
「コーヒー買っていい?」
会社へ戻る道すがら、不意に戸川さんが目の前に見える某有名コーヒーチェーンの看板を指差した。
「は、はい! もちろん」
私もコーヒーを飲んで、胸のざわめきを鎮めたかった。
店内は賑わっていたが、レジはさほど混んでいなかった。私は入り口から少しずれて、レジの上に掲示されているメニューを眺めた。期間限定のアプリコットティーラテもおいしそうだけど、やっぱりいつも頼んでいるキャラメルラテにしようかな。
「園崎はキャラメルラテ?」
「えっ! なんでわかるんですか?」
もしかして口に出していた? びっくりして思わず口を手で塞ぐと、戸川さんはニッと相好を崩した。
「いつも飲んでたなって思って。待ってて、買ってくるよ」
そう言ってレジに向かう戸川さんの背中を、私は途方に暮れながら見ていた。
ミーティングが終わって、帰る準備をしていたら戸川さんにそう聞かれた。
「はい。他の予定はないのでそうするつもりです」
「俺もこの後、園崎の会社の近くで商談があるから送ってくよ」
驚く私の頭の中で、先日言われた戸川さんの言葉がリフレインする。今度は送らせてってそういうこと? いやいや、でもこれは仕事の延長線上だし……。
私がひとりでアワアワしている間に戸川さんも荷物をまとめてしまって、私たちはふたりでシェアオフィスを出た。
戸川さんと並んで歩くのは、フラれたあの時以来。思い出して胸が苦しくなる。でも、それも束の間。見上げた戸川さんが優しい目をして私を見ていたものだから、ひっ、と変な声が出そうになった。
ソワソワと落ち着かないまま、電車に乗り、私の会社の最寄駅で降りる。
「コーヒー買っていい?」
会社へ戻る道すがら、不意に戸川さんが目の前に見える某有名コーヒーチェーンの看板を指差した。
「は、はい! もちろん」
私もコーヒーを飲んで、胸のざわめきを鎮めたかった。
店内は賑わっていたが、レジはさほど混んでいなかった。私は入り口から少しずれて、レジの上に掲示されているメニューを眺めた。期間限定のアプリコットティーラテもおいしそうだけど、やっぱりいつも頼んでいるキャラメルラテにしようかな。
「園崎はキャラメルラテ?」
「えっ! なんでわかるんですか?」
もしかして口に出していた? びっくりして思わず口を手で塞ぐと、戸川さんはニッと相好を崩した。
「いつも飲んでたなって思って。待ってて、買ってくるよ」
そう言ってレジに向かう戸川さんの背中を、私は途方に暮れながら見ていた。