私をフッた元上司と再会したら求愛された件
「なんこつを飼い始めたのも同じ時期。動物なら裏切らないだろって思ってさ」

 自嘲気味に言いながらも、えだまめちゃんを見る戸川さんの目は優しい。きっかけはそうだったかもしれないけれど、今はこの子達を慈しんで育てているとわかる。

「なんこつもいるし、特別誰かと親しくしなくても何も問題ないと思ってた。でも、園崎と会えなくなってからはずっと苦しかった。二年間、ずっと後悔してた」

 戸川さんは私の手をギュッと握った。

「傷つけてごめん。あの日、言えなくてごめん。でもずっと……美羽のことが好きだった」

 額を私の頭に近づけた戸川さんが切なげに囁く。

 戸川さんのことはずっと完全無欠な人と遠い存在のように思っていた。でも、私と同じように彼も悩んで、苦しんでいたんだ。

 手を伸ばして彼の頬に指先をツンと触れる。ぷにっと頬が窪んで指先が沈む。私と同じ、柔らかい頬。それにあたたかい。私と、おんなじ。
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