婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「これまで口を出してきたのは、あんたの中に明確な男の好みがなかったからだよ。〝この人がいい〟ってはっきり言われちゃったら、お幸せにとしか言えないもん」

「こいつの男の条件、酷かったよな。社交性がどうとか柔軟さがどうとか」

「完全に迷走しちゃってたよねー」

なぜかそんなことで意気投合され、肩身が狭い。迷走した原因の一端はジュリナだったはずなんだけど……。

不条理とモツ煮をかみしめていると、うしろから「お疲れ様ー」という朗らかな声が響いてきた。

やってきたのは美作さんだ。「いやー、会議が長引いちゃって」と少々疲れた顔をしている。すかさず世那が「ビール追加で」とオーナーに手を挙げて合図する。

「今日は金尾さんも一緒なんだね、珍しい」

「お疲れ様です。しばらくここに通おうと思ってまして」

「あ、もしかしてオーナー目当て? 彼を落とすのは難しいよ~、なにしろ自由人だから」

「美作さん、オーナーと親しいんですか? 紹介してくださいよー」

ビールを運んできたオーナーには丸聞こえで、それでもジュリナは堂々と「どうぞよろしく」なんて余裕の表情をしている。

オーナーも手慣れたもので「お手柔らかに」と微笑んだ。

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