婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
棚に近づいて、本の背表紙を眺めながら切り出す。

「でも、私は世那のなんにも知らないまま好きになったんだなって」

経営の本がたくさん。それから、仕事柄か観光業に関する読み物や旅行ガイドなんかも。

ほかにも小説やスポーツ選手のエッセイ。バスケが多いのは観戦が好きなのだろうか、それとも自分でプレイする方?

「結婚相手を選ぶのに趣味なんてたいして重要じゃなかったってことだろ」

「じゃあ、重要なものってなんだと思う? 性格?」

「俺が大事だと思うのは――」

世那の声がうしろから近づいてきて、耳もとで止まる。伸びてきた腕が私の胸もとでクロスされ、体を優しく包み込んだ。

「紬希がひたむきで一生懸命なところ」

これまで聞いたことのない優しい声が聞こえて、体温がほんのり上昇する。

「人の意見を素直に聞くところ。かと思えばこだわりのあるところは曲げない頑固さ。猪突猛進だけど周りとうまくやっていけるバランス感覚。俺の前では遠慮しないのに、美作さんが相手だと遠慮したり、いろいろ小難しいこと考えてるところ」

くすくすと笑いながら、私の性格を連ねていく世那。

そのひとつひとつのエピソードが蘇ってきて、胸を熱くする。

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