婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
ふと時計を見れば十八時。そろそろ社内では業務終了のチャイムが鳴る頃だ。

「反省会はおしまいでかまいませんか? このあと用事がありますので」

「……まさかまたコンパとか言わないだろうな」

「そのまさかです。あ、でも今日は一対一でのお食事なので『パ』ではないかな。ただの婚活です」

おもむろにバッグから手鏡を取り出しメイクの状態を確認する。うん、やっぱり直した方がいいな。帰りに化粧室に寄っていこう。

「……それ、危なくないのか? たいして知らない男と一対一で会うってことだろ?」

不意に心配を口にされ、手鏡を持つ手が止まった。

これまで婚パは幾度か参加してきたけれど、一対一でお食事をするのは今日が初めてだ。言われてみると、確かに少々物騒ではあるかもしれない。

いや、でもお互い婚活サイトに登録しているから素性は保証されているわけだし、犯罪が起きるような危険性は少ないのでは。

「大丈夫ですよ。私が利用している婚活アプリ、大手が運営してるやつですから。身元の審査もありますし」

人材派遣大手の企業が婚活向けに提供しているアプリだ。スマホに入っているアイコンを見せると、彼がいっそう眉をひそめた。

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