婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「『ぺアッチェ』ってそのサービス、最近トラブル起こしてただろ。知らないのか?」

「え? そんなのありました?」

「あんたな~……。自分が使うアプリくらい調べろよ」

聖澤さんが頭を抱える。気になって検索してみると、それらしいネット記事を発見した。

アプリで知り合った女性を誘い出し、人気のない場所に連れ込んで――内容を見てゾッとする。

「や、やだな! 脅かさないでくださいよ」

「一応忠告しとくが、知らない男にほいほいついていくなよ」

「あ、当たり前じゃないですか! そのくらいの分別はありますよ」

とはいえ、実際に起きた事件を知ってしまった以上、なんとなく気味が悪い。

「と、とにかく行ってきます。悪い男性に当たる確率なんて、そうそうないはずですから大丈夫です!」

まるで自分に言い聞かせるようにして、バッグとコートを抱えて立ち上がる。

「お先に失礼します!」

そそくさと個室を出ると、一度化粧室に寄って身なりを整えてから店をあとにした。

婚活男性と待ち合わせをしたイタリアンレストランはここから三駅先にある。約束の十九時には充分間に合いそうで安心した。



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