婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
聖澤さんはいつの間にか警察を呼んでくれていたようだ。なんて素早い判断力だろう。それにしても、揉め事に丸腰で首を突っ込まないところが冷静な彼らしい。

「くそっ……!」

『常習犯だろ』が図星だったのか、田口さんは悪態と舌打ちを残し、繁華街の人混みの中に姿をくらませた。

「俺たちも行くぞ」

田口さんの姿が見えなくなったあと、今度は聖澤さんが私の手を握り、逆方向に走り出す。

「警察を呼んだんじゃ――」

「呼んでない。パトカーがたまたま通りかかっただけだ。あの男が戻ってきたら厄介だから、ここを離れるぞ」

全部はったりだったってこと!? 呆然としながら彼のあとについて駆け出す。

「じゃあ、考えもなく柄の悪そうな相手に喧嘩を売ったってことですか?」

「悠長に通報してる場合じゃなかっただろ。それとも、あんたが連れていかれるのを黙って見ていた方がよかったか?」

私はぶるぶると首を振る。彼が助けてくれなかったら、今頃どうなっていたことか。

それにしたって場当たり的な行動が彼らしくない。それだけ、私を助けようと必死だったってことかな……?

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