二度と恋はしないと決めたのに~フライトドクターに娘ごと愛されました~

ふと、会話が途切れる。

このあとの展開が予想できているため、千咲はそわそわと落ち着かない気持ちだった。

櫂の家に来て二週間ほど。彼とはスキンシップや軽いキスを交わしはするものの、いまだ身体を重ねてはいない。

それは千咲の怪我が理由だ。そして、きちんと櫂の両親に挨拶して認めてもらいたいという千咲の思いを汲んでくれていたためだろう。

左腕の抜糸はすでに済み、かゆみはあれど痛みはほとんどない。脚も同じ。左手の小指にはひびが入っていたためまだ固定しているが、こちらも日常生活を送るにはなんら問題はない。

そして今日はようやく彼の両親との対面を果たし、彼との結婚を認めてもらえた。

もう、ふたりが愛を交わすのを妨げる理由はないのだ。

(どうしよう、緊張してきた⋯⋯)

彼と身体を重ねたのは、二年前のあの一夜のみ。けれど、決して忘れられなかった。

こうして想いを伝え合い、愛し愛されていると実感できているからこそ、彼と心だけでなく身体も結ばれたいと感じる。

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