転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~
 だからこそ、怖いのだ。占いが皆の足を引っ張っていないのか、と思うと。現にミサと近衛騎士団長には迷惑をかけてしまっているだけに、お父様の言葉は私の心に響いた。

「ありがとうございます!」
「ようやくリュシアナの明るい顔が見られたな。ずっと緊張した顔しか見せてくれなかったから、これでも寂しかったのだぞ」
「申し訳……ごめんなさい、お父様」

 リュシアナを可愛がっているのだから、堅苦しい言葉は嫌がるだろう。そう思って言い換えると、正解とばかりに柔らかい笑みを向けられた。けれど次の瞬間、お父様の顔が再び険しくなった。

「何をしに来た、クラリーチェ」
「えっ……」
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