転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~
「すまない、リュシアナ。私たちはお前が急に具合が悪くなったのを見て、原因を探っていただけだ。もう平気なのか?」
「……はい。心配をおかけして、すみません。けれどお姉様を占うのが、どれだけ神経を使うことなのか、お父様なら分かっていただけると思っていました」
ノルヴィア帝国が求めた王女は私なのに、お姉様にすり替えたのだ。リュシアナが嫌がったのなら、今からでもお父様にお願いすることもできる。今の私は別人なのだから。
けれどこの縁談は、リュシアナに相談することなく、お父様とお兄様が決めたのだと、ミサから聞いた。理由はすべて、亡き王妃に似たリュシアナを手元に置いておきたいから、だと。
「私がノルヴィア帝国に嫁げないのでしたら、せめてこの結婚がうまくいくように願うしかありませんでした。占いだって、不安に思っているからこそ、私のところに来たのです。どうして分からないのですか?」
「……分かっていたら、クラリーチェをノルヴィア帝国に嫁がせると思うか? 分かりたくないから嫁がせるのだ」
「分かり……たくない?」
「そうだ。クラリーチェは私に復讐するためなら、なんだってする娘だ。お前たちの母親を殺したのも、お前の命を狙ったのも、私が苦しむのを見たいだけなのだ」
亡き王妃のことは分からないけれど、私を嫌う理由は、なんとなく察していた。アルフェリオン王国の王女として認められているものの、お父様とお兄様からは冷遇されているお姉様。
特にお父様に関しては、今回のことでより表面化してしまったのだ。
「……はい。心配をおかけして、すみません。けれどお姉様を占うのが、どれだけ神経を使うことなのか、お父様なら分かっていただけると思っていました」
ノルヴィア帝国が求めた王女は私なのに、お姉様にすり替えたのだ。リュシアナが嫌がったのなら、今からでもお父様にお願いすることもできる。今の私は別人なのだから。
けれどこの縁談は、リュシアナに相談することなく、お父様とお兄様が決めたのだと、ミサから聞いた。理由はすべて、亡き王妃に似たリュシアナを手元に置いておきたいから、だと。
「私がノルヴィア帝国に嫁げないのでしたら、せめてこの結婚がうまくいくように願うしかありませんでした。占いだって、不安に思っているからこそ、私のところに来たのです。どうして分からないのですか?」
「……分かっていたら、クラリーチェをノルヴィア帝国に嫁がせると思うか? 分かりたくないから嫁がせるのだ」
「分かり……たくない?」
「そうだ。クラリーチェは私に復讐するためなら、なんだってする娘だ。お前たちの母親を殺したのも、お前の命を狙ったのも、私が苦しむのを見たいだけなのだ」
亡き王妃のことは分からないけれど、私を嫌う理由は、なんとなく察していた。アルフェリオン王国の王女として認められているものの、お父様とお兄様からは冷遇されているお姉様。
特にお父様に関しては、今回のことでより表面化してしまったのだ。