転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~
 だからこそ、困っていたのだ。お姉様が敵であるノルヴィア帝国に嫁いだのに、私が護衛騎士と、など許されるとは思えなかったのだ。いくら私を大事に想っているお父様であっても、王女の結婚は政治の道具として、最適だからだ。

「やはり今日は休むべきです。私、伝えに行ってきます!」

 思わずため息を吐くと、ミサが疲れていると勘違いをし、勢いよく部屋から出て行ってしまった。

「み、ミサ。違うのよ、これは!」
「何が違うのですか?」
「あ……」
「それとも、そのため息の原因は俺ですか?」

 確信をつかれ、体がビクッと跳ねた。その隙にカイルが私の前に移動してきた。

「申し訳ありません。困らせるつもりは……いえ、困らせたかったんです。少しでも意識してもらいたい、と思っていたため、抑え切れませんでした」
「……私が、カイルにしてあげられることを聞いたから」
「誰にも渡したくなかったんです」
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