転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~
椅子の背もたれを前から掴まれて……まるで逃がさない、とでもいうように、私は椅子から立ち上がることができなかった。いやカイルを押し退けることくらい、できたのかもしれない。彼は護衛騎士だ。私を傷つけることはできないのだから。
ううん。私を傷つけるカイルの姿が、想像つかないだけ。それでも私は、立ち上がろうという気にはなれなかった。
迫るカイルの顔を見て、このまま奪ってほしい、と望んでしまったからだ。
好きだから、カイルの想いに戸惑う。
好きだから、どんな態度を取ったらいいのか、迷う。
好きだから、身を委ねてもいいと思ってしまったのだ。
目を閉じ、カイルを受け入れようとした瞬間、部屋の扉が突然、開いた。
「っ! すまない。リュシアナが占いを休むと聞いて、具合が悪いのかと……」
「で、でしたら、ノックをしてください!!」
私は扉の前で驚く兄の姿を見て、大声で𠮟責した。
ううん。私を傷つけるカイルの姿が、想像つかないだけ。それでも私は、立ち上がろうという気にはなれなかった。
迫るカイルの顔を見て、このまま奪ってほしい、と望んでしまったからだ。
好きだから、カイルの想いに戸惑う。
好きだから、どんな態度を取ったらいいのか、迷う。
好きだから、身を委ねてもいいと思ってしまったのだ。
目を閉じ、カイルを受け入れようとした瞬間、部屋の扉が突然、開いた。
「っ! すまない。リュシアナが占いを休むと聞いて、具合が悪いのかと……」
「で、でしたら、ノックをしてください!!」
私は扉の前で驚く兄の姿を見て、大声で𠮟責した。