転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~
第25話 重なる不穏
お兄様が失言した翌日。まるで私のご機嫌取りをするかのように、占いに使用していい部屋をあてがわれた。けれどそれで私の気持ちが晴れる、と思ったら大間違いだ。
「グレティスのこと。二人は知っていて、ずっと私の耳に入れないようにしていたのよね」
前も私のことを気遣って、先回りな行動をしていたから、釘を差したのに……また、同じことをされた。あの時はミサだったけれど、グレティスの件はお兄様の反応から見ると、カイルの独断だろう。
「確かに私が聞いたところで何も対処できないし、行動も起こせないのだから無理はないけれど……一言あっても良かったと思うの。一応、私も関わっていたのだから」
「申し訳ありません。けして、リュシアナ様を軽視したわけではなく、その……」
「私のことを思ってのことだとは分かっているわ……それにね、カイル。護衛対象は上司でもなければ主でもない。報告する義務だってないの」
だからあなたの取った行動は正しい。最優先に私のことを考え、出たのがその行動なのだから間違ってはいない。
そう、頭では理解できた。けれど感情は違うと主張し、さらに私を突き動かした。
「グレティスのこと。二人は知っていて、ずっと私の耳に入れないようにしていたのよね」
前も私のことを気遣って、先回りな行動をしていたから、釘を差したのに……また、同じことをされた。あの時はミサだったけれど、グレティスの件はお兄様の反応から見ると、カイルの独断だろう。
「確かに私が聞いたところで何も対処できないし、行動も起こせないのだから無理はないけれど……一言あっても良かったと思うの。一応、私も関わっていたのだから」
「申し訳ありません。けして、リュシアナ様を軽視したわけではなく、その……」
「私のことを思ってのことだとは分かっているわ……それにね、カイル。護衛対象は上司でもなければ主でもない。報告する義務だってないの」
だからあなたの取った行動は正しい。最優先に私のことを考え、出たのがその行動なのだから間違ってはいない。
そう、頭では理解できた。けれど感情は違うと主張し、さらに私を突き動かした。