転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~
 グレティスの顔色も悪い。背後にいるのがあの人なら、ここに来たのも、相当な覚悟があってのことなのだろう。

 とかげの尻尾切りなんて、よくあることだもの。とはいえ、グレティスを擁護できる力を、今の私は持ち合わせていない。
 今回グレティスをここに呼ぶことだって、お父様とお兄様は反対したのだから。

「それでも私に悪いと思っているのならば、ミサとグレティス。それぞれに頼みがあるの。聞いてくれる?」
「な、なんでしょうか?」

 二人の表情に緊張の色が一気に増す。私は意地悪くクスリと笑って、まずグレティスに声をかけた。

「最初に言ったように、私はあなたを咎めるために呼んだわけではないの。その代わり、あのお店にあったカードについて教えて。どこで手に入れたの?」

 それを聞いたからといって、私はタロットカードの歴史を知らないから、ここがどのような世界なのか、予測することはできなかった。
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